米ベイエリアで初の新型コロナウイルス感染者を確認

(米国)

サンフランシスコ発

2020年02月04日

米国カリフォルニア州サンタクララ郡公衆衛生局は1月31日、サンタクララ郡(ベイエリア南部エリア)の住民の成人男性が新型コロナウイルスに感染したと発表した。ベイエリアではこれが初の新型コロナウイルス感染者の確認ケースとなった。さらに2月2日には、成人女性が新型コロナウイルスに感染し、2人目の感染者が確認されたと発表した。

ベイエリアで感染者の確認が相次ぐ

公衆衛生局によると、1例目の男性は最近、武漢へ旅行し、帰国後に発症した。この男性の容態は安定しており、医療サービスを受ける目的以外では自宅から出ていないという。また、公衆衛生局スタッフが定期的に男性とコンタクトを取って、症状や状況をモニタリングしている。2例目の女性も最近、武漢に旅行していたが、1例目とは関連がないという。女性はサンタクララ郡の住民ではなく、家族に会うために1月23日にサンタクララ郡に着いた。女性は医療サービスを受けるための2回の外出以外は、自宅にいたという。現在、女性とその家族は外出が禁じられ、自宅に隔離されている。

サンタクララ郡衛生担当官のサラ・コディ博士は、2月2日の発表で、「住民が懸念していることは理解している。今日時点で私たちが知る限りにおいて、一般大衆へのリスクは低いままだ。2例目も決して予想外のことではない。(サンタクララ郡は)多くの人口を有し、私用、ビジネスの両方の事由で中国への旅行数も多いため、今後多くの感染ケースを確認する可能性がある」と述べた。

また、公衆衛生局は、インフルエンザの流行シーズンでもあるため、サンタクララ郡の住民や学生、労働者、旅行者は自身の健康衛生状態に留意し、日常生活を送るよう注意喚起した。他方、健康な人であれば、人種や出身国、最近の旅行先を理由に、(コミュニティから)除外されるべきではないとも述べた。

さらに、2月2日のサンベニート保健福祉局の発表によると、ベイエリアのサンベニート郡で、2人の新型コロナウイルスの感染者が確認されている。2人は夫婦で、夫が最近、武漢に旅行したが、妻は行っていないため、人から人への感染とみている。

今回、新型コロナウイルスの感染者が確認されたサンタクララ郡は、ベイエリアの中でも日系企業が集積しているエリアでもある。ジェトロの調査(ベイエリア日系企業実態調査2018)によると、ベイエリアに所在する日系企業は913社で、そのうちサンタクララ郡には約4割強(44.5%)が所在している。

(石橋裕貴)

(米国)

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