ノキアのR&Dセンターが撤退へ、5Gをめぐる競争で中国に出遅れ
(フィリピン)
マニラ発
2020年02月19日
ノキアが、2020年中にフィリピンの研究開発(R&D)センターからの撤退を計画している。このことに対し、解雇されることになる700人のITエンジニアなどスタッフの再就職先確保に向けて、フィリピン貿易産業省(DTI)のラモン・ロペス長官は、同社と交渉を行っていると発表した。1月24日付の「ABS-CBNニュース」ほか地元各紙が報じた。
ロペス長官は、フィリピンにR&Dセンターの設立を検討している他のブラック ジャック オンライン企業に対して、ノキアから解雇される700人のスタッフの雇用を求める交渉を既に開始しているとした。700人の多くは、第4世代移動通信システム(4G)のソフトウェア・デザインや第5世代移動通信システム(5G)のモバイルネットワークに関する業務に従事するエンジニアやIT専門家とされる。
フィリピンでは5Gの商用化に当たり、国内通信最大手のPLDTが2019年12月、中国の通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)との提携を発表。ノキアは当初、PLDTとの提携交渉に参加していたが、PLDTが最終的に提携先としてファーウェイを選んだかたちだ。そのほか、同じく国内通信大手のグローブも、ファーウェイとの提携を2019年に発表し、同年7月には一部地域での5Gのサービスを開始した。ノキアは、フィリピンでの5Gビジネスで大きく出遅れている。
フィリピンの地元紙「インクワイアー」(2020年1月23日)によると、2020年3月にもノキアのR&Dセンターの一部社員の解雇が開始され、9月ごろまでには全ての社員が解雇される見込みとされる。
(坂田和仁)
(フィリピン)
ビジネス短信 dcd069af123f38b8