米上院、トランプ大統領の無罪を評決、弾劾裁判が終了
(米国)
ニューヨーク発
2020年02月06日
米国上院議会は2月5日、ウクライナ疑惑をめぐるトランプ大統領の弾劾裁判の評決を行い、「権力乱用」の項目で有罪48票対無罪52票、「議会妨害」でも有罪47票対無罪53票で、いずれも無罪を確定した。これによりトランプ大統領は罷免を免れ、4カ月以上にわたる一連の弾劾手続きが終了した。
予想どおりの無罪評決
トランプ大統領の弾劾手続きには、2019年9月24日に下院のナンシー・ペロシ議長(民主、カリフォルニア州)が正式な調査開始を宣言してから4カ月以上が費やされた。当初から、民主党多数の下院では弾劾訴追が成立する()ものの、共和党多数の上院では無罪評決との結果が予想されていた。
トランプ大統領は評決直後に自身のツイッターで、「捏造(ねつぞう)された弾劾に対するわが国の勝利について語るために、明日(6日)正午にホワイトハウスから公式声明を出す」と発信した。他方、ペロシ下院議長はプレスリリースで、「上院共和党が憲法に背いたことで、(トランプ)大統領が米国の民主主義にとって引き続き脅威として残る」と、裁判の結果に強い不満を表した。
大統領の支持率は変わらず
弾劾手続きは議会における党派対立を深める結果となったものの、世論への影響は限定的とみられている。実際に、各種世論調査の平均値を出しているリアル・クリア・ポリティクスによると、トランプ大統領の支持率は、10月末が42.9%(不支持53.7%)で、直近の2月5日時点では支持45.0%(不支持51.9%)と、むしろ微増している。
(磯部真一)
(米国)
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