アルゼンチンのスタートアップ企業、新型コロナウイルス感染の有無を1時間で判明するキット開発

アルゼンチンのスタートアップ企業CASPRバイオテックが、新型コロナウイルスに感染しているかどうかを1時間で判別できる簡易キットを開発したと、2月11日付「インフォバエ」紙などが報じた。

2月12日付の「エルクロニスタ」紙によると、同社の簡易キットはDNAの配列などを把握する技術によって、早期に感染症などのウイルスの有無を確認できる。これにより、研究所などにサンプルを送ることなく、空港や保健所といった施設で結果が分かる利点がある。同社のフランコ・ゴイティア最高経営責任者（CEO）は、簡易キットの価格が2ドル程度と廉価なことを強調し、国際機関などとの連携によって簡易キットが今後普及することに期待を寄せている。

「エルクロニスタ」紙によると、同社は2018年に設立したスタートアップ企業。アルゼンチンでバイオテック系の起業支援を行うグリッド・エクスポネンシャルから2,000万ドルの投資を受けた。2019年にはシリコンバレーのバイオ系スタートアップ企業向けアクセレレーターのインディバイオから2,500万ドルの投資を受け、拠点をシリコンバレーに移した。

2019年10月7日付の「エルクロニスタ」紙は、インディバイオは2017年以降これまで4社のアルゼンチン・バイオテック系スタートアップへの投資を決断するなど、アルゼンチンのバイオテック系企業への関心を高めていると報じている。

（紀井寿雄）