ベルギーで新型コロナウイルスの初感染者を確認

ベルギー政府は2月4日、中国・武漢から2月2日に帰国した9人のベルギー人のうち、1人が新型コロナウイルス検査で陽性と確認されたと発表した。8人は陰性だった。

9人のベルギー人はフランス政府が用意した特別機でフランス・マルセイユ近くのイストルを経由してベルギーのメルスブロック空軍基地に到着し、軍用病院で検査を受けていた。この特別機にはフランス人、ベルギー人のほかに、オランダやデンマーク、チェコ、スロバキアの人たちも乗っていた。

陽性と確認された患者は無症状で、ブリュッセル市内の病院に移された。残りの8人はそのまま軍用病院にとどまり、今後14日間ほど症状や状況のモニタリングを受ける。

マギー・ド・ブロック社会事業・厚生・難民移民相は専門家も同席した記者会見で、「ベルギー政府は新型コロナウイルス対策のプロトコルを策定している。ウイルスよりもパニックが脅威となる」と、冷静な行動の重要性を訴えた。また、新型コロナウイルスの症状はインフルエンザと似ていることや、インフルエンザのシーズンであることにも触れて、通常のインフルエンザ対策も行うよう呼び掛けた。

ベルギー政府は、ルーバンカトリック大学病院をウイルス特定のための研究施設に、ブリュッセルとアントワープの2つの病院をウイルス感染患者の処置を行う病院に指定している。

（大中登紀子）