国際人材競争力ランキングで46位、ASEANでは4位、AI人材の育成・活用が課題
(フィリピン)
マニラ発
2020年02月20日
フランスの経営大学院INSEADが1月24日に発表した国際人材競争力インデックス2020年版によると、世界132カ国・地域の中でフィリピンは46位とされ、前年の58位から順位を上げた。ASEAN諸国の中では4位だった。
このランキングでフィリピンは、特に生涯学習(全体17位)や成長の機会へのアクセス(24位)、世界的な知識・スキル(32位)などが高く評価され、順位を上げた。一方で、規制環境(91位)、ライフスタイル(81位)、能力の保持(69位)などが低い評価となった。
対象国・地域で最も国際人材競争力が高いとされたトップ10カ国は、1位から順に、スイス、米国、シンガポール、スウェーデン、デンマーク、オランダ、フィンランド、ルクセンブルグ、ノルウェー、オーストラリア。日本は19位、中国は42位だった。
ASEAN諸国の順位は、シンガポール(全体3位)、マレーシア(26位)、ブルネイ(38位)、フィリピン(46位)、インドネシア(65位)、タイ(67位)、ベトナム(96位)、ラオス(98位)だった。
INSEADは、国際人材競争力の向上には、人工知能(AI)の知識を持つ人材の育成・活用が最も重要とした。フィリピン貿易産業省(DTI)は2019年11月、国内産業や労働力に対してAIが与える影響の分析やAI人材教育プログラム、AI研究所の設立といった中長期的な国家戦略を定めるAI産業ロードマップを作成することを発表。
同省のアルダバ次官は、第4次産業革命などを端緒に急速に変化する世界の潮流にフィリピンが乗り遅れずに前進するためにも、AI産業ロードマップの作成は重要かつ時宜を得たものとした上で、ロードマップはフィリピンを世界のAIのエネルギー源へと変革させるものになると説明した。
英国オックスフォード大学が2019年5月に発表した世界194カ国の政府のAIに対する準備状況をランキングした報告書「AIへの政府の準備状況インデックス2019」によると、フィリピンは50位とされ、ASEAN諸国ではシンガポール(1位)、マレーシア(22位)に次いで3位になった。
(坂田和仁)
(フィリピン)
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