初めてマレーシア人の感染者、患者数は10人に
(マレーシア)
クアラルンプール発
2020年02月05日
マレーシア保健省は2月4日、新型コロナウイルスによるマレーシア国内の感染者が10人となったことを発表した。これまでの感染者は武漢市をはじめとする中国人訪問客だったが、初めてマレーシア人の感染者が1人確認された。
マレーシア人感染者は40代の男性で、1月中旬に1週間ほどシンガポールに滞在し、武漢市を含む中国から来た同僚とミーティングを行っていたという。23日にマレーシアに帰国、29日から発熱やせきなどの症状があり、2月3日に陽性の結果が出た。新型コロナウイルスの潜伏期間は最大14日間とも言われており、今後の感染拡大が懸念される。
武漢市のマレーシア人を退避
マレーシア政府は2月3日、武漢市に滞在する133人のマレーシア人とその家族を退避させるため、エア・アジア機を同市に派遣した。うち107人が4日にクアラルンプール国際空港に到着し、隔離された建物に速やかに移動した上で入国審査などを受け、2人が病院に搬送されたという。105人は監視センターに移送されており、一定期間の監視と隔離を実施するという。
中国経済の動向に懸念
在マレーシア日系企業でも、マスク配布や手洗いとうがいの徹底といった感染予防策を従業員に奨励しているほか、中国への出張や旅行の自粛などの対応を行う企業が増えている。活動が制限されることによるビジネス機会の喪失に加え、中国の取引先の生産計画の不安定化や、中国経済の低迷による事業への影響を懸念する声も聞こえている。
(田中麻理)
(マレーシア)
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