新型コロナウイルスの影響で自動車販売店の総合的な営業再開率は前年同期の14.8%どまり

(中国)

上海発

2020年02月28日

自動車ディーラーの業界団体である中国汽車流通協会は2月24日、メンバー企業74社が北京市や上海市など約20の省・自治区・直轄市で展開している販売店(4,702カ所)の営業再開状況をまとめた。

2月24日午後4時時点では、過半数の従業員が出勤している販売店の割合は全体の37.2%、自動車販売台数は前年同期(具体的な期間は未公表)の8.0%にとどまり、メンテナンスなどのアフターサービスの売上高も10.5%にすぎなかった。これらの3指標を加重平均した総合的な営業再開率は、前年同期の14.8%にとどまった。

一方、販売店が営業を再開できない原因(複数回答)について、「地方政府による規制」と答えた割合が全体の66%で最も多く、「営業再開の承認が得られない」(51.1%)、「防疫物資の不足」(38.3%)などが続いた(表参照)。

表 販売店が営業を再開できない理由

2020年の自動車販売台数は見通しより悪化か

中国汽車流通協会の郎学紅・副秘書長は、新型コロナウイルスの発生前の2019年11月末の時点で、2020年の自動車販売台数は前年比10%減の2,250万台とする見通しを示していた(「中証網」2019年11月30日)。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大でメーカーの生産能力の回復に時間がかかる中、自動車販売店の操業再開の遅れも重なり、中国の自動車市場はさらに縮小する可能性が高い。

(劉元森)

(中国)

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