タイ国鉄、21 トランプ

(タイ)

バンコク発

2020年02月12日

タイ国鉄(SRT)は1月14日、バンコク都チャトゥチャック地区で、同社が運行する新しい鉄道路線SRT21 トランプ試運転を実施した(「バンコク・ポスト」紙1月15日)。タイ国鉄総裁のワオラット・マラー氏は、地元経済紙の同事業に関するインタビューに応じ、「南北に伸びるダークレッド、東西に伸びるライトレッドの両線における基幹工事が完了し、使用車両(25編成・130車両、日立製作所製)もおおむね納品されている」と明らかにした。

SRTレッドラインは、バンコク北部・パトゥムタニ県からバンコク南部・サムットサコーン県までの「ダークレッドライン」および、バンコク西部・ナコンパトム県からバンコク東部地域までの「ライトレッドライン」の2つの主要な路線に分かれている。また、既存路線のバンスー~ランシット線(26.3キロ、10駅)は「ダークレッドライン」の一部を、バンスー~タリンチャン線(15.26キロ、3駅)は「ライトレッドライン」の一部を構成する。同氏は「今後は、試験運転を2020年半ばに実施し、その後、2020年10月ごろから一般向けの無料試験運転をして、2021年初頭に本格的なサービスをスタートさせる計画」だという。なお、タイ国鉄は、21 トランプバンスー~ランシット区間の1日の利用客を30万人以上と見込み、運賃を14~47バーツ(約49~165円、1バーツ=約3.5円)に設定する予定。

また、21 トランプ運行に合わせ、バンスー中央駅の一部も営業を開始する。同駅はレッドラインに加え、空港連絡線(エアポートリンク)や都市間鉄道、バスなど、ほかの公共交通機関との一大結節点となる中央駅で、将来的には、現在の主要駅の役割を担うバンコク駅(ファランポーン駅)(注)の代替になることが期待されている(2019年6月13日付地域・分析レポート参照)。

(注)仮に、バンスー中央駅が開業したとしても、タイ国鉄は初期段階に全てのサービスをファランポーン駅から移転させず、必要に応じて一部の路線のみをバンスー中央駅へ移転させる方針。タイ国鉄は、ファランポーン駅の建物の一部がタイの鉄道輸送の歴史などを展示する博物館に改装される計画もある中で、ファランポーン駅はサービスを継続して提供すると強く訴えている。

(ナオルンロート・ジラッパパー)

(タイ)

ビジネス短信 5ccc4a74d2114044