新型コロナウイルス拡大防止へ、中国との往来を制限
(ベトナム)
ハノイ発
2020年02月05日
ベトナム保健省の発表によると、国内の新型コロナウイルスの感染者は2月4日時点で10人となった(表参照)。北部ビンフック省の日系企業の工場に勤務しているベトナム人5人も含まれており、いずれも武漢市での工場研修を終え、同じフライトで帰国していた。
「VNエクスプレス」などの報道によると、感染者の一部は症状が完治したという。また、感染の疑いがあるのは236人で、そのうち163人が陰性と診断され、残りは隔離して監視下に置かれている。
グエン・スアン・フック首相は1月31日、関係省庁や地方政府に対し、新型コロナウイルスへの対応策として、中国との往来を制限するよう指示を出した。過去2週間以内に中国に滞在していた中国人を含む外国人旅行者への観光ビザ発給を一時的に停止するとともに、中国の感染地域とのフライトについて、首相が特別に決定するものを除いて一時的に停止すると決めた。これを受け、既にベトナム航空やベトジェット、ジェットスターなどはベトナムと中国間のフライト運航停止を発表している。
中国はベトナムにとって最大の輸入元であり、第2位の輸出先、ベトナムへの渡航者も中国人が最多だ。中国との往来が制限されることで、ベトナム経済にも影響を与えることが懸念される。
また、首相が特別に許可したものを除き、今後開催される国内の祭典は中止するよう勧告した。そのほか、大勢の人が集まる場所でのマスク着用を推奨すると同時に、マスクなどを不当に値上げしないよう注意喚起した。ハノイ市やホーチミン市を中心に学校を1週間休校にすることも決まっており、影響が多方面に広がっている。
(庄浩充)
(ベトナム)
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