新型コロナウイルスの感染拡大、日系企業のサプライチェーンにも影響
(中国)
上海発
2020年02月17日
新型コロナウイルスの感染が引き続き拡大している中、華東地域でも多くの企業が業務を再開、または業務再開に向けた準備を進めている。
このような状況を受け、上海日本商工クラブでは、会員企業に対して2月10日夕方から2月12日かけてアンケート調査を行い、会員企業635社から回答を得た。
2月10日から業務を再開した企業も、多くが在宅勤務を実施するほか、勤務場所ではマスク着用や日々の検温を行っている(表1参照)。湖北省だけでなく、上海市以外の全ての地域から戻った場合に14日間の自宅待機や隔離を実施する企業は5割近く(複数回答)に達した。多くの企業が従業員の安全確保を図りながら業務を行っている状況にある。
「2020年の収益への影響見込み」については、約半数の企業が収益に対してマイナス10%超の影響を見込んでおり、マイナス20%超とした企業も約2割あった(表2参照)。
「中国ビジネス戦略の変更の有無」については、現時点で変更するとの回答は3%にとどまり、半数近くが変更しないと回答した(表3参照)。
中国内の工場などの操業停止がサプライチェーンに与える影響については、半数以上の企業が「既に及んでいる」と回答した(表4参照)。
中国内の工場などの操業停止が継続した場合の代替生産や調達が可能かとの問いに対し、約3割の企業が代替生産・調達が「不可能」と回答した(表5参照)。
「一部業務の日本国内回帰や第三国移管の可能性」については、移管を決定、または検討中の企業を合わせても1割に満たないが、まだ分からないとする企業は半数近くあった(表6参照)。
(高橋大輔)
(中国)
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