カンボジアの新型コロナウイルス発症は1人、日系企業も対策急ぐ

(カンボジア)

プノンペン発

2020年02月12日

カンボジア保健省は1月27日、中国武漢からシアヌークビルに観光で来ていた中国人の男性1人が新型コロナウイルスに感染し、隔離したことを発表した。在カンボジア日本大使館はウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにおいて日本語で対応可能な医療機関を発表した上で、新型コロナウイルス判定検査は日本語で対応可能な医療機関では行えないため、感染の疑いがあると判断された場合は、カンボジア政府が指定する病院で診察を受ける必要があるとしている。

複数の日系製造業企業は、工場での予防対策として、出社時の手洗い、うがいの徹底、発熱の場合の自己申告による検温、ドアノブなどの手が触れる箇所への消毒を実施しているという。マスクは風邪の症状などがある場合のみ着用し、従業員の不安をあおるようなことのないよう、従業員への説明を徹底している。ただし、マスクや消毒液などの衛生用品は既に品切れで、価格高騰などにより手に入りにくいため、日本からの調達などを検討中だ。中国人従業員については旧正月で中国に帰国したが、カンボジアに戻ってきた後は最低1週間、自宅待機をさせる方針という。

中国からの輸入停止が継続することによる影響も懸念

中国から原材料を調達する企業からは、旧正月対応のため、前倒しで原材料を輸入している分の在庫があるため、当面は生産への影響はないという声も聞かれる。しかし、中国の旧正月休暇延長によって輸出入の停止が継続すると、原材料の在庫切れが発生することが予想され、こうした企業では対応策が検討されている。

(磯邊千春)

(カンボジア)

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