2019年の新車登録台数は前年比減

(チェコ)

プラハ発

2020年01月23日

チェコ自動車輸入者連盟(SDA)の1月8日の発表によると、2019年の乗用車の新車登録台数は24万9,915台で、前年の26万1,437台から4.4%減、過去最高を記録した2017年(27万1,595台)と比較すると8.0%減となった。

プライスウォーターハウスクーパース(PwC)は、減少傾向は経済の現況と先行きに対する企業や消費者の信頼感低下を反映したものと指摘している。その背景には、経済成長の伸び悩み、貿易摩擦への懸念、チェコの主要産業である自動車産業の世界的な低迷の兆しなどが挙げられるという。また、先行きに対する消費者信頼感は今後も低調に推移し、2020年の新車登録台数も2019年比でわずかに減少すると予想している。

2019年の新車登録台数をメーカー、ブランド別にみると、トップはシュコダの8万5,895台で、全登録台数の34.4%を占めた。以下、フォルクスワーゲン(VW)、現代、ダチア、プジョーと続いている(表1参照)。

表1 メーカー、ブランド別チェコ国内新車登録台数

日系メーカーでは、トヨタが9,893台で引き続きトップ。全体の約4%を占め、前年の9位から7位に上昇した。特に、ハイブリッド部門でのシェアは49.6%と、同部門の他社の売り上げも増加して競争が熾烈化する中で、依然として圧倒的首位を維持している(表2参照)。

表2 メーカー、ブランド別ハイブリッド車登録台数

一方、日産は、2019年の登録台数が前年比7割弱減の1,724台と大きく減少し、前年の15位から22位に順位を落とした。ただし、電気自動車(EV)部門では、前年と同数の139台で、前年の308台から104台と減少したフォルクスワーゲンに代わって、同部門トップとなった(表3参照)。

表3 メーカー、ブランド別電気自動車登録台数

EVの全登録台数をみると、2018年は前年から倍増し618台に達したが、2019年は636台で、前年からの増加率はわずか2.9%にとどまった。

EV部門では、2019年11月にシュコダが同社初のEV「シティゴe iV」の生産を開始、2019年内に28台が早くも登録された。チェコ国内の乗用車売り上げで圧倒的な地位を誇るシュコダが今後、EVの登録台数でもトップクラスに食い込み、EV市場拡大へと貢献するかが注目される。

(中川圭子)

(チェコ)

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