噴火から1週間たつも10万人が避難、農業被害は64億円に
(フィリピン)
マニラ発
2020年01月21日
フィリピンのマニラ首都圏南方約60キロのタール山が、1月12日に噴火活動を活発化させてから1週間が過ぎた。20日午前6時現在も、10万4,377人が避難をしており、災害リスク削減管理委員会(NDRRMC)は火口から半径14キロ以内の地域からの避難指示を継続、噴火警戒レベルもレベル4(危険な噴火が差し迫った状態)を継続している。12日の噴火発生後、19日までに701回の地震が発生し、うち有感地震は176回。
タール山にほど近いカラバルゾン地方のバタンガス州政府は1月13日、非常事態宣言(State of calamity)を発令し、同地方のカビテ州政府も15日に非常事態宣言を発令。20日時点で非常事態宣言を発令した自治体は2州のみ。
航空便は通常運航、電気供給ほぼ回復
噴火活動の影響により、643便の航空便の欠航(国内便:383便、国際便:260便)が生じたが、1月20日現在では通常運航に戻っている。18日までにカラバルゾン地方の20の市で一時停電が生じたが、18日現在でうち17の市で電気供給が回復している。
NDRRMCによると、1月17日までにカラバルゾン地方で30億6,142万ペソ(約64億2,898億円、1ペソ=約2.1円)の農業被害が発生、うちバタンガス州が20億836万ペソ、カビテ州が10億2,261万ペソ、ラグナ州が3,045万ペソの被害を受けたとした。フィリピン農業省は14日、農家に対して無利子で2万5,000ペソを貸し付けるサービスを発表。損害を受けた農家は返済義務を免除するとした。
(坂田和仁)
(フィリピン)
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