米国政府、中国との航空便の運航停止を検討、米系チェーンは店舗を一時閉鎖
(米国)
ニューヨーク発
2020年01月30日
新型コロナウイルスの感染が米国内でも確認されたことを受けて、米国政府は1月29日現在、米中間の航空便の運航停止を検討している。複数の米メディアが報じた。米航空会社では既に、アメリカン航空とユナイテッド航空が米中を結ぶ複数の空路での運航を停止している。米政府の判断次第では、米中間の空路への影響が拡大する可能性がある。
米政府は中国への渡航回避を呼び掛け
米政府は1月28日、チャーター便を手配して、新型コロナウイルスが発生したとされる武漢市から、政府職員を含む約210人の米国民を退避させた。政府による対策や米国民への注意喚起に関しては、保健福祉省と米国疾病予防管理センター(CDC)が中心となっている。CDCは1月27日に、必要不可欠な場合を除き、中国への渡航を避けるよう注意喚起レベルを最大の3まで引き上げた。国務省も1月29日時点で、中国・湖北省への渡航はやめるよう警戒レベルを最大の4とし、中国のそれ以外の地域への渡航については再考するよう警戒レベル3としている。
米系チェーン店が相次いで店舗を一時閉鎖
中国に進出している米国企業に関しては、チェーン展開している飲食・小売業を中心に、武漢市および近隣都市の店舗を一時閉鎖するなどの対応が広がっている。先週以降に対応を開始している米ブランドには、マクドナルドやスターバックス、ケンタッキーフライドチキン、ピザハット、ギャップ、オールドネイビーなどが含まれる。
生産の多くを中国に依拠するアップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は、1月28日に実施した2020年第1四半期(1~3月)の財務状況に関するカンファレンスコールで、武漢市にもサプライヤーがいると指摘した上で、「想定される生産減の影響を軽減する策を講じている」とした。小売面では、同地域の直営店を1店舗のみ一時閉鎖したほか、近隣の店舗でも営業時間を短縮するとともに、従業員の健康状態を日々確認していると説明した。
このほか、在北京・上海の米国商工会議所がそれぞれウェブサイトを通じて、中国進出の米企業に対して、米中両政府が発表するブラック ジャック ブラック クイーンや、医療機関ブラック ジャック ブラック クイーンなどを提供している。
(磯部真一)
(米国)
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