カザフスタンでウズベキスタン軽工業企業協会との合弁により繊維製造開始
(カザフスタン、ウズベキスタン)
タシケント発
2020年01月06日
カザフスタン南部の最大都市シムケントで12月5日、アスカル・マミン首相が出席して、繊維工場の開所式が行われた。この工場は政府系の「カザフスタン投資基金」とウズベキスタンの「アライアンス・テキスタイル・ウズベク軽工業企業協会(Alliance Textile Uzbek Association of Light Industry Enterprises)」が出資した合弁会社「アライアンス・トレード&インダストリアル(Alliance Trade and Industrial Company LLP)」が運営する。
出資比率はカザフスタン投資基金が49%、アライアンス・テキスタイル・ウズベク軽工業企業協会が51%。ウズベキスタン側の推計投資額は約1,200万ドル(運転資金を含む)。この繊維工場の稼働は、2019年6月22日にウズベキスタンの首都タシケントで行われた2国間の合同政府間委員会で決定した共同投資プロジェクトの1つで、カザフスタン側は生活必需品の国産化を進め、ウズベキスタン側は国外への生産拠点の拡大を図るのが目的。
アライアンス・テキスタイル・ウズベク軽工業企業協会は2011年設立。協会のウェブサイトによると、ウズベキスタン国内の7つの繊維企業を統合、古い繊維工場を近代化した。現在、紡績糸やガーゼ、脱脂綿などを生産し、トルコやバングラデシュ、ロシア、キルギス、カザフスタンなどと活発な取引を行っている。
今回稼働した工場は、カザフスタン政府が進めてきた繊維クラスター事業の一環で技術・設備の近代化が進められてきたものの、資金面で問題があり、4年前から計画が頓挫していた。アライアンス・トレード&インダストリアルは年間6,000トンの綿花を紡績してカード糸、コーマ糸を生産する予定で、2020年4月までにフル稼働を目指している。
(増島繁延)
(カザフスタン、ウズベキスタン)
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