2019年のEUの新車登録台数は前年比1.2%増

(EU)

ブリュッセル発

2020年01月24日

欧州自動車工業会(ACEA)は1月16日、2019年のEU27カ国(マルタを除く)の乗用車の新規登録台数(暫定値)は前年比1.2%増の1,534万188台だったと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした(表1参照)。6年連続の拡大となった。増えた台数の1位はドイツ(17万1,480台、5.0%増)で、フランス(4万798台、1.9%増)、ルーマニア(3万643台、23.4%増)とポーランド(2万3,709台、4.5%増)が続いた。

主要市場では、ドイツとフランスに加えて、イタリア(0.3%増)でも拡大。一方、スペイン(4.8%減)と英国(2.4%減)は縮小した。このほかの西欧諸国では、ギリシャで10.3%増と拡大したが、アイルランド(6.8%減)とフィンランド(5.2%減)、オーストリア(3.4%減)などで縮小した。中・東欧諸国では、リトアニア(43.2%増)とルーマニア(23.4%増)、ハンガリー(15.6%増)などで伸びが顕著だが、キプロス(5.7%減)とチェコ(4.4%減)では減少。

ACEAによると、2018年9月に導入された新排出基準(WLTP)の影響により、2019年の新車の乗用車の販売は鈍い出だしとなったが、第4四半期(10~12月)に持ち直し、通年では前年を上回った。特に12月は、フランス(27.7%増)、オランダ(2.1倍)、スウェーデン(2.1倍)での2020年の税制改正も見越して売り上げが拡大。EU27カ国全体では、前年同月比21.7%増となった。

表1 欧州30カ国の乗用車(新車)登録台数

2019年通年の新規登録台数をACEA会員企業のブランド別にみると、域内最大のシェアを誇るVWグループは373万5,099台で前年比3.1%増となった。傘下のポルシェ(13.5%増)、セアト(11.8%増)が特に拡大し、トップの座をより堅固なものとした。これに続くフランスのグループPSAは243万3,781台で1.1%縮小。同グループの約3分の1を占めるオペル/ボクスホールが7.6%減と振るわなかった。

表2 EU27カ国のメーカー別乗用車(新車)登録台数(注1)(単位:台、%)

2020年は「欧州グリーン・ディール」関連イニシアチブにも注目

欧州委員会は2020年に「欧州グリーン・ディール」()の枠組みで、自動車を含む運輸部門からの二酸化炭素排出削減に向けたイニシアチブを発表し実施する予定だ。具体的には、持続可能でスマートなモビリティーに向けた戦略の発表、代替燃料の公的充電・燃料充填(じゅうてん)インフラの整備支援対象の公募、持続可能な代替燃料の生産・供給の促進に向けた法制化の検討が予定されている。

(村岡有)

(EU)

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