エミリア・ロマーニャ州選挙で中道左派が勝利

(イタリア)

ミラノ発

2020年01月28日

イタリア北部のエミリア・ロマーニャ州で1月26日、州知事と州議会議員の選挙が行われ、知事に中道左派・民主党(PD)のステファノ・ボナッチーニ氏が再選、議会ではPDが第1党の座を保持した。従来、左派の支持層が根強い地域ではあったものの、2019年9月に第2次コンテ内閣が立ち上がって以降、PDをはじめとする与党は、マッテオ・サルビーニ氏率いる右派政党・同盟に勢いを奪われつつあるとする見方が強く、選挙の動向に注目が集まっていた。

ボナッチーニ氏は51.42%の得票率で当選、州知事として2期目を迎える。同盟など右派勢力が支持していたルチーア・ボルゴンゾーニ氏は43.63%の得票率でボナッチーニ氏に迫った。議会でも同盟が第2党を維持し議席を増やした。PDを中心とした左派で辛うじて過半数を確保するものの、同盟の存在感が目立つかたちとなった。

現在、PDなどとともに政権運営を担っている第三極の五つ星運動も、シモーネ・ベニーニ氏を候補者として擁したが、得票率はわずか3.48%にとどまった。2018年3月の総選挙で大きく躍進した五つ星運動は、連立与党のポジションを維持し続けているものの、最近では党員の離反が相次ぐなど求心力低下が目立ち、若くして外相などの主要ポストに就いたルイジ・ディ・マイオ氏が1月22日に党首を退いたばかり。

ボローニャを州都とするエミリア・ロマーニャ州は約450万の人口を抱える(イタリア全20州のうち6番目)。失業率はイタリア全土の約半分程度にとどまり、製造業をはじめとした産業基盤は盤石だ。輸出額についてみても、ミラノを州都とするロンバルディア州に次いで2番目に多く(注)、イタリア経済を支えている重要な州の1つだ。

(注)2018年と2019年第3四半期(7~9月)までの統計に基づく。

(山崎杏奈)

(イタリア)

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