EU・ベトナムFTA、批准に向けて前進、欧州議会委員会で承認

(EU、ベトナム)

ブリュッセル発

2020年01月23日

欧州議会の国際貿易委員会(INTA)は1月21日、EU・ベトナム自由貿易協定(FTA)とEU・ベトナム投資保護協定(IPA)をそれぞれ賛成多数で承認したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。発効に向けた次のステップは、2月の欧州議会本会議での採決となる。

このFTAとIPAは2019年6月30日に署名(関連ブラック ジャック ルール)され、10月からINTAが検討を進めてきた。とりわけ、ベトナムで労働者の権利や思想信条の自由に制限があるなど、労働と人権上の問題が論点となったが、21日のINTAでは、両協定を本会議で批准承認(過半数による同意)手続きにかけることを求める勧告について、FTAでは賛成29、反対6、棄権5、IPAでは賛成26、反対7、棄権6で、ともに承認した。INTAは同時に、労働や人権、FTAに含まれる持続可能性条項の実効性を確保するメカニズムの導入に関するベトナムへの要望を盛り込んだ。

勧告案を取りまとめたINTAのゲルト・ブルジョワ欧州議員〔欧州保守改革(ECR)グループ、ベルギー選出〕は「この協定は地政学的・経済的な重要性に加え、ベトナム国内の改革を加速させるものと確信する。協定の批准により、ベトナムの労働・環境基準の改善、人権の尊重が進展するだろう」とコメントした。

2月10~13日開催予定の欧州議会本会議で同意が得られれば、EU理事会(閣僚理事会)による承認を経て、FTA発効に向けたEU側の手続きは完了する。IPAについてはEU加盟国の各議会で批准承認手続きを経る必要があり、発効には時間を要する見込みだ。

(安田啓)

(EU、ベトナム)

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