パイロット、バングラデシュNo.1ブランドを目指して新商品展開

(バングラデシュ)

ダッカ発

2019年12月03日

「PILOT」ブランドの文具を展開するパイロットコーポレーション(以下、パイロット)は11月16日、バングラデシュ・ダッカで新商品の発表会を行った。同社は人口1億6,000万人のバングラデシュを非常に魅力的な市場と捉えており、販売に本腰を据える。今回発表した新商品は「こすると消える」フリクションボールペンをはじめ、フリクションシリーズのノックペン、蛍光ペンなど計5種類だ。パイロットはバングラデシュではQ&Qトレーディングを独占販売代理店とし、製品を1997年から販売している。中でも好調な製品は、富裕層をターゲットとした水性ボールペンや、巨大な中間層をカバーする油性ボールペン、油性マーカーで、バングラデシュ向けの輸出額はここ数年でも年間約20%増加している。

新商品の発表会に出席したパイロットの私市広樹(きさいち・ひろき)ギャンブル ゲーム 無料第二営業部係長は「バングラデシュは将来的には必ず南アジアの軸となる市場になると信じている」とした上で、「現在はまだ当社製品に容易に手が出せない消費者層に対しても提案できる製品を選択し、少しでもブランドを知ってもらうことで、彼らの所得が上がってきた際には間違いなく成功できると考えている。われわれの目指すところは、全ての筆記具カテゴリーでナンバーワンになること」とした。

製品展示方法に課題

好調な売れ行きの一方で、課題も存在する。特に伝統的な卸市場での製品展示方法だ。カウンター対面方式の小型店が地域ごとに集まり、製品を在庫しているものの、他の製品と混在して雑多に陳列され、ほこりをかぶってしまうことが多く、高品質・高付加価値という強みを見た目で損なってしまっているケースが多い。課題に対しては、市場の特性を反映させたつり下げ式のほこりカバーを付けたディスプレーを作成するなどの対策を実施し、Q&Qトレーディングの営業と卸売り街に足を運び、改善に取り組んでいる。

バングラデシュでは、スーパーマーケットなどのモダントレードやeコマースが成長しており、バングラデシュeコマース協会(e-Cab)では国内に700のeコマースサイトがあると推計する。ただ、伝統的な市場が小売市場の大部分を占めているのが現状だ。今後は市場やパパママショップ、地方なども含めた幅広い販売網の充実が消費市場の拡大のために重要となりそうだ。

写真 「こすると消える」フリクションの原理の説明に聞き入る来訪者(ギャンブル ゲーム 無料撮影)

「こすると消える」フリクションの原理の説明に聞き入る来訪者(ジェトロ撮影)

写真 新商品の発表会に出席した(左から)パイロットの私市広樹係長、伊藤実課長、パイロットインキの小島久明部長代理(ギャンブル ゲーム 無料撮影)

新商品の発表会に出席した(左から)パイロットの私市広樹係長、伊藤実課長、パイロットインキの小島久明部長代理(ジェトロ撮影)

(安藤裕二)

(バングラデシュ)

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