トルコを横断する天然ガスパイプライン「TANAP」開通
(トルコ、アゼルバイジャン)
イスタンブール発
2019年12月16日
トルコとアゼルバイジャンは11月30日、「トランスアナトリア・パイプライン(TANAP)」の開通式をトルコ西部のギリシャ国境の町イプサラで行った。トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領とアゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領が出席した。
アゼルバイジャンのシャーデニズII油田から天然ガスを南イタリアに輸送する総延長3,420キロの「南部天然ガス輸送路(SCG)」は、「南コーカサス・パイプライン(SCPX:692キロ)」、TANAP(1,850キロ)、「トランスアドリア・パイプライン(TAP:878キロ)」の3つの部分から構成される。TANAPの総工費は65億ドル、天然ガス輸送能力は年間最大160億立方メートルでうち約100億立方メートルが欧州向け、60億立方メートルはトルコ市場に割り当てられる。
開通式でエルドアン大統領は、TANAPはトルコのエネルギーニーズを確保するだけでなく、欧州へのエネルギーの安定供給に貢献することを目指していると述べ、2020年に完成を予定するTAPとの速やかな接続が必要だと強調した。TANAPは、アゼルバイジャン国営石油会社ソカール(Socar)が51%、トルコの国営石油・ガス輸送会社ボタシュ(BOTAS)が30%、BPが12%、ソカール・ターキー(Socar Turkey)が7%を所有する。
(中島敏博)
(トルコ、アゼルバイジャン)
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