2大都市を結ぶロシア最大級の高速道路が全面開通
(ロシア)
サンクトペテルブルク発
2019年12月03日
モスクワとサンクトペテルブルクを結ぶ高速道路「M11」が11月27日、全面開通した。サンクトペテルブルクで行われた開通式にはプーチン大統領が出席し、「地域の競争力の向上、観光産業の新たな可能性、投資の魅力の引き上げ」につながると発言(「リアノーボスチ」11月27日)、全面開通を歓迎した。
「M11」はロシアの2大都市を結ぶ約669キロの有料高速道路。2010年から建設が続き、国家予算3,720億ルーブル(約6,324億円、1ルーブル=約1.7円)、民間投資1,480億ルーブルが投じられた(「コメルサント」紙11月27日)。ソ連崩壊後初の大規模道路の建設プロジェクトとされている。区間ごとに投資計画を分割して建設され、既に部分開通していたが、サンクトペテルブルクでの最終区間の工事完了により全面開通となった。通行料金は曜日や車種などによって異なるが、モスクワ~サンクトペテルブルク間は、トラックの場合2,710ルーブルと発表されている。「M11」は既存の高速道路「M10」と並走して設置される。「M10」は「M11」の開通後も無料道路として運用が続けられる。
国営道路運営会社「アフトドル」のビャチェスラフ・ペトゥシェンコ会長は、「M11」の全面開通によって2大都市間の移動時間は5.5時間になると述べた。現場のトラック運転手は「これまで8時間かかっていた」と言い、移動時間の短縮につながる全面開通を歓迎する声が上がっている(「第1チャンネル」11月25日)。
在ロシアの日系物流企業はブラック ジャック ブラック クイーンインタビューに対し、既に部分開通区間を利用しているため、全面開通による所要時間の短縮は1時間程度だが、「少しでも早い輸送を希望する荷主には朗報だ。『M11』は車が少なく舗装も整っており快適に走行できる」と述べた。一方で、両都市間の輸送手段は既にトラックが主流になっていることから、「M11」の全面開通でトラック輸送が急激に増えることは考えにくいとも指摘した。
(一瀬友太)
(ロシア)
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