シドニーでライトレールの新線が開通、輸送力増強・渋滞緩和に期待
(オーストラリア)
シドニー発
2019年12月24日
オーストラリアのシドニーで12月14日、ニューサウスウェールズ(NSW)州政府の公共交通機関プロジェクトの一環であるライトレール(路面電車)のCBDサウスイースト線が開通した。シドニーのライトレールは、2014年のダルウィッチ・ヒル線以来2本目となる。NSW州のグラディス・ベレジクリアン首相は「交通渋滞で中心部のジョージストリートに列をなしていたバスに代わり、ピーク時に1時間当たり最大1万3,500人を運ぶだろう」と述べ、新たな交通手段の提供による輸送力増強および渋滞緩和への期待感を示した。
開通区間は、シドニー中心部のサーキュラーキー駅と、南西部にあるニューサウスウェールズ大学近くのランドウィック駅を結ぶ全長12キロの路線(注)。毎日午前5時から翌日午前1時まで、中心部のサーキュラーキー駅とセントラル駅の間を約4~8分ごと、セントラル駅とランドウィック駅の間を約8~12分ごとに運行する。これまで同区間を結ぶ公共交通機関はバスしかなかったが、ライトレールの開通により、バス9台分に当たる最大450人を一度に運ぶことができるようになった。
一方、ライトレールの試運転中に、歩行者、自転車、自動車などが線路に立ち入るなどして運行が妨げられたことから、遅延の発生、運行スケジュールの乱れが懸念される。アンドリュー・コンスタンス運輸相は「ライトレール周辺の歩行者や自動車などの安全を守るため、安全キャンペーンを実施してきた。開通前には20万キロに及ぶ試運転を行い、歩行者、自転車、自動車などへの注意喚起に加え、路面標示を設置するなど対策をとっている」と述べた。
(注)ライトレールの路線図を参照。
(遠藤泰平)
(オーストラリア)
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