コスタ首相、トランプ ゲーム ブラック ジャック
(ポルトガル)
パリ発
2019年12月11日
ポルトガルのアントニオ・コスタ首相は12月3日、ポルトガル投資貿易振興庁(AICEP)とPortugal INが在英国の日系企業向けにロンドンで共催した「ポルトガル・日本投資セミナー」に登壇し、ポルトガルと日本との経済連携の重要性を強調して、ポルトガルへの投資を呼び掛けた。
Portugal INとは、英国のEU離脱を見据え、ポルトガル政府が外国企業誘致に取り組むべく2017年4月に立ち上げた首相直轄のタスクフォースだ。Portugal INによると、日本は高い技術力や16世紀からのポルトガルとの外交の歴史を背景に、誘致対象の重点国(注)に位置付けられており、首相自らトップセールスを行うほどの力の入れようだ。
コスタ首相はセミナーで、ポルトガルには現在約100社の日系企業が進出しており、1971年進出のトヨタ自動車をはじめ、近年は丸紅、富士通、NTTといった高い技術力を有するグローバル企業による投資が進み、地場企業との好循環を生んでいる点を高く評価した。
ポルトガルでは、欧州債務危機後の厳しい雇用状況を背景に、外資系企業誘致に加え、新たな成長産業育成に向けたスタートアップエコシステムの整備にも国を挙げて取り組むことで、自ら雇用を生み出す起業文化が根付き始め、近年劇的な経済発展を遂げている。
また、欧州最大級のテックカンファレンスのウェブサミットを2016年から誘致したことも追い風となり(2028年までリスボン開催が決定)、ダイムラーやグーグル、フォルクスワーゲンといった大企業による技術開発拠点の設置が過去3年で加速している。
日本企業による大型投資としては、2019年9月にNTTデータグループのエヴェリス・ポルトガルがリスボンにトランプ ゲーム ブラック ジャック・通信テクノロジー・コンピテンスセンターを開設した。
エコシステムの規模は首都リスボンが最大だが、地方への投資も盛んになりつつある。第2の都市である北部のポルトは製造業に強みがあるため、ハードウエア関連企業が拠点に選ぶ傾向があるといわれているほか、2016年に富士通がリスボンに続いてコールセンターを開設したブラガは、ミーニョ大学、ポルト大学、スタートアップ・ブラガを主軸に産学官が連携して北部エコシステムを構築している点に特徴がある。また、2019年3月に日立コンサルティングがイノベーションセンターを開設したアベイロも、アベイロ大学を中心に産学連携に強みを持つなど地方都市での動向も注目される。
(注)他の重点国は英国、米国、インド、中国。
(遠藤朋美、小野恵美)
(ポルトガル)
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