第3四半期のGDP成長率、前期比0.4%
(スイス)
ジュネーブ発
2019年12月12日
スイス経済省経済事務局(SECO)は11月28日、2019年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率を前期比0.4%と発表した。化学・医薬品とエネルギー関連の輸出の伸びが貢献した。ほかの産業では国際的な経済減速の影響が見られた。
需要項目別でみると、個人消費の成長率(前期比0.2%)は微増、政府消費支出(0.5%)は加速した。建設投資(0.2%)がわずかに回復した一方で、設備ソフトウエア投資(0.7%)は世界経済の不確実性が増す中でも、第2四半期(4~6月)のマイナス0.7%から2年前の水準まで回復した。
産業別でみると、今期の成長を支えたのは製造業(1.2%)で、第2四半期に引き続き化学・医薬品の輸出需要が大きかったためだ。また、今夏の欧州の記録的な猛暑により電力需要が増した結果、エネルギー分野(8.4%)は過去最高の伸びを記録し、同分野の輸出も大きく伸びた。一方で、貿易パートナー国の経済不振の影響を受けた機械・金属関係の輸出は減少した。ビジネスサービス(マイナス0.1%)は2期連続でマイナスとなり、金融(マイナス0.6%)も減速した。商取引(0.4%)は小売り・卸売りに支えられ、前期のマイナス成長から回復した。
全体としては、財の輸出(0.7%)、輸入(1.1%)、サービス輸出(1.1%)、輸入(0.9%)ともにプラス成長を維持した。
(城倉ふみ)
(スイス)
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