包装機械産業が好調、売上高が過去最高に達する見込み

(イタリア)

ミラノ発

2019年12月23日

イタリアの主力産業の1つ、包装機械産業の業績が好調だ。イタリア包装機械製造者組合(UCIMA)が12月20日に発表した収支見通しによると、2019年の総売上高は過去最高の80億ユーロ超(前年比1.8%増)に上る見込みだ。

ものづくり立国であるイタリアの包装機械産業は、ドイツと並んで世界でも高い競争力を誇り、業界全体の売上高のうち78.6%を輸出が占める。輸出額も近年、堅調に推移しており、2019年は前年比1.4%増の約63億ユーロに達する見通しだ。輸出先をみると、特にアジア向けが前年比12.7%増と大きな伸びを示しており、EU向けが6.5%増、アフリカ・オセアニア向けが3.0%増となっている。また、2018年時点ではEU向け輸出が輸出全体の約4割を占め、続いて、アジアが2割、北米が1割強だった。北米向けのうち90%以上は米国向けだ。一方、イタリア国内の売り上げも堅調で、2019年は前年比3.2%増の約17億ユーロと見込まれている。

イタリアの包装機械の関連企業数は2018年時点で631社に上る。多くがエミリア・ロマーニャ州、ロンバルディア州などイタリア中北部に位置する。主要顧客を産業別にみると、食料・飲料品関連が過半数を占め、医薬品関連が続く。

UCIMAのエンリーコ・アウレーリ会長は、2019年の業績に満足を示しつつも、地政学的リスクや世界経済の減速などの不安要素が見込まれていることから、「2020年は(躍進ではなく)足場固めの年になる」と慎重な見方を示している。一方で、近年コンスタントに成長を重ねてきた産業のため、「中長期的には楽観的にみている」としている。

(山崎杏奈)

(イタリア)

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