第3四半期の実質GDP成長率、前期比0.1%

(イタリア)

ミラノ発

2019年12月06日

イタリア国家統計局(ISTAT)は11月29日、2019年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率を前期比0.1%、前年同期比0.3%と発表した(季節調整済み)。景気停滞が叫ばれる中、4期連続で辛うじてプラスを維持したかたちだ。

需要項目別にみると、マイナス成長の要素が目立つ結果となった。第1四半期(1~3月)では復調の兆しを見せていた総固定資本形成は1年ぶりにマイナスに転じ、財・サービスの輸出も前期比マイナスになるなど振るわなかった。また、世界的な景気減速について国家統計局が11月5日に発表した月例経済見通しでは、現在は特に製造業が打撃を受けているものの、じきにサービス業にも影響が及ぶだろうとの見方を示している。

マイナス要因がくすぶる一方で、消費、特に民間最終消費支出が下支えするかたちとなった。しかし、11月の消費者信頼感指数は108.5と前月比3ポイント、前年同期比6.3ポイント低下している状況下、消費の底堅さがいつまでもつかは不透明だ。

表 イタリアの需要項目別実質GDP成長率(四半期ベース)

労働市場に関しては、失業率は緩やかに改善傾向にあるものの、第2四半期(4~6月)に9.9%、経済停滞が著しい南部では、17.5%と依然高い水準となっている。若者の失業率も、25歳から34歳の年代では15%を超えており、依然として深刻だ。欧州委員会が11月7日に発表したイタリアの経済見通しでは、予測される労働市場の縮小と賃金上昇率の低迷によって、国民の可処分所得と家計支出を鈍らせることになるだろうとしている。

(山崎杏奈)

(イタリア)

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