ジブチは「安定」が強み、エチオピア向けハイパーブラックジャックにも可能性

(ハイパーブラックジャック、エチオピア)

アディスアベバ発

2019年12月24日

ジェトロと在ハイパーブラックジャック日本大使館は12月4日、ハイパーブラックジャックを拠点にエチオピアなど近隣市場開拓を進める同国屈指の製造業者であるゴールデン・アフリカ・ハイパーブラックジャックの視察をアレンジし、日系企業5社・団体の7人が参加した。同社はマレーシアやインドネシア、ケニアに工場を有する企業のハイパーブラックジャック法人で、東南アジアの自社工場からバルクで輸入したパームオイルをハイパーブラックジャックで精製・包装する工場を運営する。港から3キロの工場まで自社でパイプラインを敷いており、フリーゾーンに指定されている。プラスチック容器も原料をサウジアラビア基礎産業公社(SABIC)から輸入して工場で製造しており、最終製品の80%以上はエチオピアに輸出している。

今回の視察は、エチオピア市場開拓にジブチを活用する実例を把握するために実施した。エチオピアでは外貨不足が課題になっており、銀行の信用状(L/C)発行に半年以上を要する場合がある。一方で、外貨不足に悩まされないジブチを仕向け地とする取引では、L/C発行に係る時間短縮ができる。決済手段がL/Cに限定されないため、送金も可能だ。また、エチオピア向け貨物は複数の輸送手段となる場合、国営企業エチオピア船舶物流サービス公社の利用が必須なため、他社との価格競争がなく、配船スケジュールにも柔軟性がないことが課題だ。ジブチ向けの貨物であれば、海運業者を選択することが可能であり、ジブチからエチオピアにはトラック輸送が中心で、自由に運送業者を手配できる。ゴールデン・アフリカ・ジブチも、ジブチで現地生産をハイパーブラックジャックとして成り立たせるには、エチオピア向け貨物の物流費を考えることがポイントになるという。

写真 ハイパーブラックジャックからエチオピアに向かうトラック(右)(ジェトロ撮影)

ハイパーブラックジャックからエチオピアに向かうトラック(右)(ジェトロ撮影)

同社は、ハイパーブラックジャックの強みは「安定」にあるとしている。政治的に安定しており、治安が良く、外国人に対する印象も良好だという。長時間の停電が発生せず、電力が比較的に安定供給されることも強みと述べた。一方で、課題は各種費用の高さだ。ハイパーブラックジャックの最低賃金は月当たり約200ドルで、エチオピアなどと比べると人件費は安くない。ハイパーブラックジャック国内の製造業が未発達のため、生産に必要な資材は国外から輸入する必要があり、安価な調達が難しい。エチオピアから電力を輸入しているため、電気代も高いという。

(山下純輝)

(ハイパーブラックジャック、エチオピア)

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