ソフトバンク・イノベーション・ファンド、アルゼンチン企業に初投資
(アルゼンチン、日本、中国)
ブエノスアイレス発
2019年12月06日
アルゼンチン生まれのモバイルバンキング・スタートアップ企業ウアラ(Uala)は11月25日、ソフトバンク・イノベーション・ファンドと中国のテンセント(Tencent)から、合計1億5,000万ドルの出資を受けたことを明らかにした。11月26日付の当地「アンビト」紙が報じた。ブラジル、アルゼンチン、メキシコなど中南米の企業に投資する50億ドル規模のソフトバンク・イノベーション・ファンドにとって、今回が初めてのアルゼンチン企業への投資となる。
ウアラは2017年10月にアルゼンチンで誕生した。同国内でプリペイドのマスターカードと連携したアプリの開発・運営を行っており、アプリ使用者は請求書の支払いや交通系ICカードのチャージ、電子決済、投資、ローン申請などをオンライン上で行うことが可能となる。国民の約半数が銀行口座を持たないアルゼンチンでは、ウアラのようなサービスを提供する個人向けモバイルバンキングサービスが急速に拡大を続けており、フィンテック分野は多くの投資家の注目を集めている。
同紙によると、ウアラと提携するプリペイドのマスターカードは現在130万枚発行されており、今回の投資を受けて今後この発行枚数を3倍にし、現在190人の従業員を400人に増やすことを予定しているという。なお、現時点では他のスペイン語諸国にサービスを拡大する予定は発表されていない。
4月24日付のロイターによると、ウアラは2019年4月にもテンセントから出資を受けている(金額非公開)。さらにその前には、ゴールドマン・サックスなどの出資も受けており、今回の出資でウアラのこれまでの資金調達の合計金額は1億9,400万ドルとなる。
(津下みなみ)
(アルゼンチン、日本、中国)
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