カルナータカ州のスタートアップで関心高まるヘルステック

(インド)

ベンガルール発

2019年12月03日

優秀なIT人材が豊富なことなどを背景に、インドのスタートアップ企業への関心は高まっている。中でも南部のカルナータカ州ベンガルールは、IT都市として発展を続けてきたことからエコシステムの層が厚く、イノベーションの中心地の1つに成長している。このスタートアップの分野で最近注目が高まっているのがヘルスケア分野のヘルステックだ。地場大手創薬企業バイオコンのキラン・マズムダール・ショウ社長は、昨今の動きについて「バイオ産業分野で、1年間に957ものスタートアップが生まれており、ベンガルールでは人工知能(AI)や機械学習(ML)を利用したAI診断などが中心となっている。ベンガルールのスタートアップは創薬や診断分野のリサーチパートナーとして見られ始めている」とコメントしている。

同州政府が主催する国際的スタートアップイベントに「ベンガルール・テックサミット」がある。2019年で22回目を迎え、ベンガルールで11月18日から20日まで開催()、日本を含む22カ国がパートナーカントリーとして参加し、3日間の会期で延べ1万2,350人が来訪した。第5世代移動体通信システム(5G)、モノのインターネット(IoT)、ゲノム技術、AI、スマート農業、ヘルステックなどテーマが多岐にわたるのが特徴だが、ここでも特にヘルスケアへの注目が高まっている点が昨今のトレンドだ。

この流れを捉え、ジェトロは11月20日に同イベント内で、日本企業によるヘルスケアと金融面の支援をテーマにしたセミナーを開催し、インド企業との協業を見据えた日本企業の取り組みや関心を紹介した。

インドでデジタル技術を活用したヘルスケア分野のイノベーション事業を展開する日立製作所は医療系IoT推進について紹介、医療関係機関やスタートアップとの連携を呼び掛けた。同社は主に病院向けの検査機器を製造・販売しており、IoT技術によって機器の劣化の測定などができるという。みずほ銀行は日本企業のスタートアップ投資動向や同行が進めるアクセラレーションプログラム、インドスタートアップ向けFoF(ファンド・オブ・ファンド)の設立などについて説明し、日本企業によるインド投資への関心が高まりつつあることを紹介した。東京証券取引所はマザーズ市場を中心にインドスタートアップの将来的な日本におけるIPO(株式公開)の可能性、メリットなどを説明した。

ヘルスケアは日本・インド両国で急速な発展が見込まれる分野で、日本からの金融サポートも活用した両国企業の関係強化が期待される。

写真 日本企業によるセミナーの様子(カジノ 無料 ゲーム撮影)

日本企業によるセミナーの様子(ジェトロ撮影)

(遠藤壮一郎)

(インド)

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