ブラック ジャック サイト
(ロシア)
欧州ロシアCIS課
2019年11月19日
サイバー攻撃の摘発・阻止や知財保護、オンライン詐欺・ハイテク犯罪調査を専門とするグループIBは10月31日、2019年のロシアにおけるオンライン海賊版市場規模を前年比27%減の6,350万ドルと予測し、2015年に調査を始めて以降初めて減少に転じる見込みと発表した。2015年に3,200万ドルだったものが2016年には6,200万ドルと倍増し、2017年に8,500万ドル、2018年も8,700万ドルと年々拡大の一途をたどっていた(図参照)。
グループIBによると、市場縮小の主な理由は、a.法改正によって裁判外手続きが執行可能となり、実務面の経験が徐々に蓄積されてきていること、b.海賊版配信サイトに収入をもたらす広告主の排除とロシアCIS地域のオンライン映画の海賊版を配信する大手プロバイダーの広告収入減、c.インターネットやメディア分野の大手事業者による海賊版防止メモランダムの採択と、それに基づく検索結果からの海賊版コンテンツ表示の排除などが挙げられる。
a.については、海賊版による知的財産権の侵害に対抗する法律はロシアで過去何度も修正されており、コンテンツ関連事業者などの市場関係者が法廷外手続きでの権利行使に関する実務を蓄積している。b.では、連邦税務局がブックメーカー(賭け屋)やギャンブルなどといった海賊版サイトの広告主の活動監視を強化しているという。
海賊版対策に地殻変動をもたらしたと言われているのはc.だ。2018年11月にロシアの大手インターネット事業者であるヤンデックスとメール・ルー、ランバー、大手放送事業者の第1チャンネル、全ロシア国営テレビ・ラジオ放送会社(VGTRK)、STSメディア、ガスプロムメディアが海賊版対策に関する覚書を締結した。これにより、検索エンジンは、検索結果から海賊版コンテンツのページリンクを削除しなければならなくなった。権利者の1年間にわたる活動によって、映画やシリーズ作品などの違法コピーに関する60万ものウェブリンクの台帳が作成されたという。
海賊版供給元の収入は海賊版コンテンツの広告に左右される。グループIBによると、海賊版フィルム・シリーズ作品の主な広告主はオンラインカジノやギャンブルサイトで、広告バナーはコンテンツデリバリーネットワーク(CDN、注)経由などで行われる。ロシアCISで最大規模のビデオコンテンツの海賊版プロバイダーの1つだったCDNムーンウオークが10月に解体された際には、HDGOやKodikといった大手の海賊版CDNのビデオコンテンツ配信にも影響が生じたという。ムーンウオーク、HDGO、Kodikの3大海賊版CDNの活動が困難になったため、ロシアの海賊版映画オンライン配信の9割に支障が生じたようだ。
(注)ウェブコンテンツのインターネット経由での配信のために最適化したネットワークのこと。サーバーを地理ブラック ジャック サイトなどに基づき分散させることにより、ウェブサイトだけでなく、大容量アプリケーション、音楽、動画の配信やオンラインゲームといったブロードバンドのコンテンツの配信が安定的かつ低コストで行えるようになる。
(齋藤寛)
(ロシア)
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