米連邦通信委、国内通信事業者のファーウェイやZTEからの調達を一部制限
(米国、中国)
ニューヨーク発
2019年11月25日
米国連邦通信委員会(FCC)は11月22日、米国の通信ネットワークにとって安全保障上の脅威となる企業からの調達を一部停止させる規制を採択した。これにより、通信事業で公的な補助金を受ける米企業については、華為技術(ファーウェイ)や中興通訊(ZTE)などの企業との新規契約が禁止される。またFCCは、現在使用されている上記企業の製品・サービスについても、別会社への切り替えを義務付ける計画を発表している。
今回の規制の対象となるのは、1996年電気通信法に基づき設立・運営されている、ユニバーサル・サービス基金(USF)の補助金を受ける企業だ。USFは、低所得者層や、都市部に比べて通信料金が高い地域・地方の医療機関、学校・図書館に安価な通信サービスを提供する目的で、各州が指定する通信事業者に補助金を供与しており、その金額は年間85億ドルに上る。
今回のFCCの規制を通じて、ファーウェイとZTEの製品・サービスの調達については、USFの補助金の使用が禁止される。また、FCCは今後も、指定企業を追加する手続きを策定するとしている。なお、既に調達済みの製品・サービスについては引き続き使用は認められるが、その維持・改良・修繕などにUSFの補助金を使用することは禁じられる。規則の施行は、官報掲載日とされている。
加えてFCCは、USFの補助金を受ける企業が、ファーウェイとZTEの製品・サービスを使用している場合、調達先を指定企業以外の会社に切り替えるよう義務付ける規則の策定にも着手するとしている。FCCは、切り替えに関わる費用を補填(ほてん)するプログラムを設けるとし、ファーウェイおよびZTEの製品・サービスの普及度などについてブラック ジャック 確率収集を開始するとしている。
米国の通信ネットワークについては、トム・コットン上院議員(共和党、アーカンソー州)ら超党派議員18人が2017年12月に、米国の安全保障上の脅威だとして、ファーウェイ、ZTEとの関係見直しを求める書簡をFCCのアジト・パイ委員長に提出していた。ウィリアム・バー司法長官も、ファーウェイが米通信大手Tモバイルから機密ブラック ジャック 確率を盗んでいるほか、他国企業から盗んだブラック ジャック 確率の価値に応じて社員にボーナスを支給しているとの連邦捜査局(FBI)の報告などに言及し、今回の規制を支持している。FCCのアジト・パイ委員長は規制に関して、「中国政府が5G(第5世代移動通信システム)ネットワークの脆弱(ぜいじゃく)性を狙うリスクを看過できない」とコメントしている。
(藪恭兵)
(米国、中国)
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