コソボ中央選管、10月の臨時議会選挙結果を公表、連立協議が焦点に
(コソボ)
ウィーン発
2019年11月15日
コソボ議会(定数120)の臨時選挙が10月6日に実施され、コソボ中央選挙管理委員会(以下、KQZ)は11月7日、結果を公表した。この選挙は、1999年のNATO軍によるセルビア(当時ユーゴスラビア)空爆時のセルビア人捕虜の臓器密売容疑で、2019年7月に旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(ICTY)から召喚を受けたコソボのラムシュ・ハラディナイ首相の辞任を受けて実施された。
KQZの発表によると、アルビン・クルティ氏が率いる「自己決定運動(LV)」が32議席(得票率26.67%)を獲得して第1党となった。第2党はイーサ・ムスタファ元コソボ首相が率いる「コソボ民主連盟(LDK)」で29議席(得票率24.17%)、第3党はハシム・サチ大統領が率いる「コソボ民主党(PDK)」で25議席(20.83%)、第4党はラムシュ・ハラディナイ元首相が率いる「コソボ未来連合(AAK)」と、シペッド・アフメディ・プリシュティナ市長が率いる「社会民主党(PSD)」との連立の「コソボAAK-PSD100%連立」が14議席(11.67%)となった。コソボ在住のセルビア人を中心とする「セルビア人統一候補(SL)」は10議席(8.33%)を獲得した。
単独で過半数を確保した政党はなく、連立協議が今後の焦点となる。第1党の「自己決定運動(LV)」は内政干渉だとして国連やEUに反発しており、EUが現在進めている「セルビア-コソボ正常化交渉」も難航することが予想される。中欧自由貿易協定(CEFTA)があるにもかかわらず、コソボ政府が2018年11月からセルビア製品とボスニア・ヘルツェゴビナ製品に対して100%の関税をかけている問題の解決にも、まだまだ時間がかかるとみられる。
(鈴木秀男)
(コソボ)
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