ウェブサミット2019のJ-Startupブースで16社が革新的な技術PR
(ポルトガル)
パリ発
2019年11月14日
欧州最大級のスタートアップイベント「ウェブサミット2019」が11月5~7日ポルトガル・リスボンで開催された。21 トランプは規模を前年の6社に比べて大幅に増大(2018年11月29日付地域・分析レポート参照)させ、宇宙や人工知能(AI)、スポーツ・エンターテインメント関連と多岐にわたる分野の16社とともに、2回目の「J-Startup」ブースを出展し、多数のピッチ登壇者を出した(うち5社はJ-Startup企業)。
欧州版CES(米国ラスベガスで開催される世界最大級の家電・技術見本市)とも称され、欧州最大級のカンファレンスであるウェブサミットは今回も規模を拡大。主催者は開幕前日の4日の時点で、163カ国・地域から7万469人の来場者(46.3%が女性、スピーカー1,296人、メディア2,526人)を迎えるとともに、2,150社のスタートアップ、239社の大企業が出展する予定と発表していた。
英国、ドイツをはじめとする欧州各国からの出展が圧倒的に目立ち、明確に欧州市場をターゲットとするスタートアップイベントと位置付けられている。
「J-Startup」ブース出展企業の1つのメリープ(meleap)は、ウェアラブルデバイスとAR(拡張現実)で実現するテクノスポーツ「HADO(ハドー)」を開発する2014年創業のスタートアップ企業だ。欧州を中心に近年、海外展開を加速しており、既に27カ国65カ所に製品を納入している。今回、接触を図りたいベンチャーキャピタル(VC)、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)へのアプローチにウェブサミットのオフィシャル・アプリをフル活用した。同社の最高執行責任者(COO)/Co-Investorの冨田由紀治氏は「アプリを使ってアプローチしたい相手の絞り込みができる点は大変便利だ。複数の投資家とシリーズCに向けて有益な商談ができた」と話していた。
また、富士通が日本の大企業初となるスポンサー出展をした。同社はスタートアップとの協業に4年前から取り組んでおり、日本国内向けのアクセラレーションプログラム「FUJITSU ACCELERATOR」では既に120社をサポートし、うち70社以上との協業の成果を生み出している。2019年に欧州版の「FUJITSU ACCELERATOR」を立ち上げ、今回のウェブサミットでは、360社の応募から選抜した世界各国のスタートアップ企業20社以上を束ねての出展となった。同社グローバルマーケティング本部の安西潔氏は「世界最大級のスタートアップイベントのウェブサミットで、富士通のスタートアップとの協業成果をPRすることができた。また、起業家やエコシステム運営者、政府関係者、その他多くの企業と出会うことができた」と今後の展開にも手応えを得た様子だった。
(遠藤朋美、小野恵美)
(ポルトガル)
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