ダッカ大学と日本企業、バングラデシュ初のハッカソンイベントを開催
(バングラデシュ)
ダッカ発
2019年11月12日
ダッカ大学ブラック ジャック 遊び方科学部と日系IT企業のBJITなどは11月1、2日にプログラミングやITサービス開発を競うハッカソン「コードサムライ2019」をダッカ大学で開催した。ハッカソンがバングラデシュで開催されるのは初めてのことで、同イベントには日本からも審査員や視察企業が多数参加した。
今回のハッカソンは、制限時間を24時間に設定し、3人で構成されたチーム形式で、特定のテーマについてプログラミング開発を競う形式をとった。全国の50大学187チーム561人の応募から計35チーム105人が選抜され、当日は32チーム96人(添付資料参照)が参加して、「ダッカ市内の交通渋滞回避のための最短ルート検索アルゴリズムの開発」を競い合った。開発中は、チーム内で相談し、より高度なサービスの構築を目指す姿が見られた。24時間のハッカソンの結果、国内最高峰のダッカ大学のチーム(DU_XUPRI)が優勝した。また、2位もダッカ大学のチーム(DU_SPRINGBOKS)で、3位はクルナ工科大学のチーム(KUET_MANJARO)だった。
大学関係者を驚かせる場面も
閉会式では、ムスタファジャバル通信相が優勝したダッカ大学のチームに、賞金として15万タカ(約20万円、1タカ=約1.3円)を授与した。また、第2回のハッカソンを2020年12月に開催することも発表され、次回はベトナムやカンボジア、ミャンマーからもITエンジニアを招待する予定だという。
主催者のBJITの明石康弘代表取締役社長は「技術的にも難しい課題にもかかわらず、チームがお互いの役割を決めながら提出期限のギリギリまで真剣なまなざしで取り組んでいた姿がとても印象的だった」とし、最終評価で行われた各チームのプレゼンテーションについては「設計やアルゴリズムについて独創的な理論を展開し、大学関係者を驚かせる場面もあった。いずれ彼らの中から、イノベーティブなサービスを開発する人材が数多く輩出されていくことを強く感じた」と締めくくった。
注目されるバングラデシュのIT人材
バングラデシュは近年、IT分野で注目を集めており、日系IT企業の視察も相次いでいる。バングラデシュには、英語を話せるITエンジニアが多く、欧米から直接、オフショア開発などのオーダーを取得できることが強みとなっている。バングラデシュ政府の推計によると、国内では60万人に及ぶフリーランスのITエンジニアが活動しているという。また、ダッカ大学とバングラデシュ工科大学がエンジニアリング分野では最高学府で、人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)などの最新研究もされており、毎年、優秀な人材を市場に輩出している。
(安藤裕二)
(バングラデシュ)
ビジネス短信 92076bdc954c4a61