ペルー生産省、カタクチイワシの第2漁期(夏漁)漁獲量枠を発表
(ペルー)
リマ発
2019年11月18日
ペルー生産省は11月11日に官報公示された同省決議No.483-2019号で、11月16日からの2019年後期のペルー産カタクチイワシ(アンチョベータ)の沿海北・中央部における漁について、前年同期比32.7%増となる278万6,000トンの漁獲枠を設けると発表した。ただし、前期の漁獲枠の大幅削減が影響し()、2019年の総漁獲枠は前年比で9.8%減となる見通しだ。
同省は2008年から全ての操業許可を得ている船舶ごとに漁獲制限を設けており、かつ、漁獲が認められるカタクチイワシのサイズは12センチ以上としている(日量のうち重量は5%以内、サイズは10%以内までの誤差は許容)。漁の終了時期については、漁獲枠に達した場合、または、ペルー海洋研究所(IMARPE)が環境と生物保護的観点から終了を進言した場合をもって終漁となる。
全国漁業組合(SNP)のカジェターナ・アルヒホン会長は、2019年前期のカタクチイワシの漁獲量は過去5年間の平均量を4.6%下回ったと述べた。その大きな原因として挙げたのが、2019年前期の漁獲枠の削減と天候だ。だが、水産資源量については、ここ10年間安定しており(表参照)、その背景には官民両者による努力があるという。一方、同魚種は主に飼料として魚粉に加工されるが、2019年は最大の輸出仕向け地である中国でのアフリカ豚コレラ問題による需要の減少や、米中貿易摩擦による人民元の下落など、中国の輸入コスト増といった外部要因もペルーの漁業界に影響を与えているという。中央準備銀行(BCR)は2020年以降のカタクチイワシ漁について、気象条件が整えば、2019年を上回る年間500万トンの漁獲量を予測している。
(設楽隆裕)
(ペルー)
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