サウジ、UAEなどもサッカーのガルフカップに参加、カタールとの関係改善に期待
(カタール、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、バーレーン、クウェート)
ドバイ発
2019年11月22日
アラブ湾岸カップサッカー連盟は11月13日、カタールのドーハで開催される第24回ガルフカップ(会期:2019年11月26日~12月9日)に、同国と国交を断絶しているサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)ならびにバーレーンの3チームが参加することを発表した。当初は11月29日からカタール、クウェート、オマーン、イラク、イエメンの5カ国で開催される予定だったが、3カ国の参戦により、開始日が前倒しとなった。これを受け、カタール現地紙「アル・ジャジーラ」とUAEのガルフ・ニュースがそれぞれ、湾岸地域における係争の「雪解けの兆し」と、好意的に報じている。
サウジアラビア、UAE、バーレーン、エジプトの4カ国が2017年6月、カタールが「テロ組織を支援している」などとして同国との国交を断絶して以降、カタールと各国との陸・海・空の人とモノの往来は厳しく制限されている。
長く膠着(こうちゃく)状態が続いていたところ、2019年5月、地域情勢の緊張の高まりを背景として、サウジアラビアのメッカで緊急招集された湾岸協力会議(GCC)首脳会議に、カタールからタミム首長は参加しなかったものの、アブドゥッラー首相が断交後初めて参加している。GCC内ではクウェートが仲介役を担っており、11月10日にはクウェート外相が、事態の早期終結を訴えるサバーハ首長の書簡をサウジアラビアのサルマン国王に手交している。「アラビアン・ビジネス」誌(11月13日付)は、友好的な態度が抗争を鎮めるとして、クウェートがサウジアラビアに参加を促したと報じている。
一方で、米国のフォックス・ニュース(11月16日)やUAEの「ザ・ナショナル」紙(11月18日)などが、上述のGCC緊急首脳会議開催のきっかけにもなったUAEのフジャイラ沖で発生したタンカー襲撃事件(5月12日)について、有識者の話として「カタールがあらかじめイランによる攻撃計画を知っていた」が、西側諸国に通知しなかったと報じており、「雪解け」が期待どおり進むかは予断を許さない状況だ。
(田辺直紀)
(カタール、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、バーレーン、クウェート)
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