Edtechのスタートアップに対し、外国投資家の関心高まる

(ベトナム)

ホーチミン発

2019年10月03日

ベトナム人が立ち上げたEdtech(エドテック)(注1)のスタートアップに対する外国投資家の関心が高まっている。9月23日付「ベトナムニュース」が報じた。

ベトナム人起業家バン・ディン・ホン・ブー氏らが2015年に米国シリコンバレーで設立したエルサ・スピーク(ELSA Speak)は、これまでの1,200万ドルの資金調達に加え、2019年3月にはグーグルの人工知能(AI)限定ベンチャーファンドから700万ドルの資金を得た。同社はAIを使用して非母語話者の英語発音矯正をサポートする携帯電話アプリを開発し、米国の教育技術の競技会SXSWedu(2016年)での優勝経験を持つ。現在100以上の国・地域で400万人を超えるユーザーを有する。

また、ホーチミン市で起業した英語やSTEAM(注2)の教育プログラムを提供するエべレスト・エデュケーション(Everest Education)が8月、香港のプライベート・エクイティ・ファンド(注3)などから400万ドルの資金を調達した。また、地場プライベート・エクイティ企業メコン・キャピタルが支援するホーチミン市のヨラ(YOLA)も同月、シンガポールとインドに拠点を置く教育ファンドから1,000万ドルの投資を受けた。

ベトナムでは、先進国の教育水準に追いつくために、場所を選ばず、低価格で高水準の教育を受けられる「eラーニング」が必要とされている。この市場は20億ドル規模と大きな可能性があるほか、デジタル技術に強い若者を引き付ける魅力があるという。ベトナムにおけるIT技術を用いた教育やトレーニング分野の2016年末までの投資案件は309件、総投資額(認可ベース)は7億6,700万ドルを超えるとされる。

(注1)Edtech(エドテック)とは、教育とオンライン カジノ ブラック ジャック通信技術(ICT)を融合させて生み出す新しい教育サービスとそのビジネス領域を指す。インターネットによる双方向オンライン学習システムが主流で、スマホ用の勉強アプリも数多くリリースされている。

(注2)STEAMとは、「Science」(科学)、「Technology」(技術)、「Engineering」(工学)、「Art」(芸術)、「Mathematics」(数学)の頭文字を取ったもの。

(注3)未公開株式(プライベート・エクイティ)の運用を行うファンド。

(小林亜紀)

(ベトナム)

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