ナトリウムの栄養表示厳格化法案が提出
(フィリピン)
マニラ発
2019年10月21日
フィリピン国内で販売する食品にナトリウムが含まれる場合、パッケージにナトリウムの含有量を明記することを義務化する法案が、今国会で審議されている。
法案は、食品医薬品局(FDA)が法律成立後90日以内に施行する、施行細則(IRR)において定められる量を超えるナトリウムを含有する食品を国内で販売する食品メーカーに対して、その含有量を食品のパッケージに表示することや、パッケージにナトリウムの過剰摂取が人体に与える悪影響を表示することを、保健省(DOH)が義務付けることを規定する。
また、違反する企業に対しては、初回は30万ペソ(約63万円、1ペソ=約2.1円)以下、2回目は60万ペソ以下、3回目は100万ペソ以下の罰金を科すことを規定する。
下院議員のアルフレド・ガービン氏およびエリザルディ・コー氏は法案提出の目的として、過剰なナトリウムの摂取が高血圧を引き起こしており、フィリピン人の主要な死因の1つである心臓病などから、フィリピン国民を守る必要があるとする。
世界保健機構(WHO)の調査によると、1990年当時はフィリピン男性の19.4%、女性の15.9%だったフィリピンの高血圧の人の割合が、2016年にはそれぞれ20.4%、17.7%と増加傾向にある。また、肥満度指数のBMIが25以上の割合も、1990年当時は男性が12.7%、女性が17.0%だったのが2016年にはそれぞれ26.1%、28.9%と急増している。
(坂田和仁)
(フィリピン)
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