コミコン・イスタンブール2019開催、会場は熱気に包まれる
(トルコ)
イスタンブール発
2019年10月28日
コミコン・イスタンブール2019が10月19、20日にイスタンブール市内で開催された。トルコで唯一のアニメ・マンガイベントとして知られ、3回目となる今回は規模を拡大した。
会場では、トルコ内外のアニメ・漫画関係者によるセミナーや、有名漫画家によるデモンストレーション、各種ワークショップが実施されたほか、トルコ人アマチュア作家のブース、コンテンツ関連企業のブース、各種ゲーム体験コーナーなども設置された。中高生を中心とする若いアニメ・漫画ファンが多数来場した。
参加者の注目を最も集めたのは、テレビ東京による「TV TOKYO SHOW」だ。人気アニメ「ブリーチ(BLEACH)」「ボルト(BORUTO)」などの阿部記之監督、「ワンピース(ONE PIECE)」サボ役の声優の古谷徹氏、ニコ・ロビン役の声優の山口由里子氏が登壇するとあり、500人以上の若者が集まった。2人の声優は会場でアニメの名セリフを披露し、大きな歓声が上がった。イベントに参加した少年は「日本アニメの大ファンで、今日はこのために来た」と興奮気味に語った。
日本のアニメ制作会社アスラフィルムもブースを設置し、最高経営責任者(CEO)の望月重孝氏とアニメーターの青木悠氏がアニメ業界や漫画家を志すトルコの若者のイラストに直接アドバイスを行った。同社トルコ担当の松田勇希氏は「素晴らしい才能を持った若者もいる。こつや練習の仕方を少し教えることでさらに伸びるだろう」と語った。そのほか、日本からは「進撃の巨人:Before the fall」の漫画家の士貴智志氏も参加した。
コミコン・イスタンブールにこれほどの日本側関係者が参加したのは初めてで、過去2回を超える大きな盛り上がりを見せた。主催者代表のエルダル・キュチュクヤルチュン氏は今回の成功を受けて、「ここ数年、トルコは経済や治安の面で厳しい状況だったが、このイベントは成長し続けた。とうとうここまで来た」と手応えを語り、トルコのアニメや漫画関係者、ファンのためのプラットフォームになりたいとの意欲を示した。
(エミネ・ギョンジュ、中村誠)
(トルコ)
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