世界銀行、2019年の経済成長率予測を5.8%、2020年を6.1%、2021年を6.2%に下方修正
(フィリピン)
マニラ発
2019年10月21日
世界銀行は10月10日、2019年のフィリピンの経済成長率の予測を5.8%に下方修正したと発表した。
フィリピン政府の2019年の経済成長率目標(6.0~7.0%)を下回るもので、前回(6月)の予測値(6.4%)から0.6ポイントもの減少となる(表参照)。米国の大手格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)も10月1日、2019年のフィリピンの経済成長率の予測を6.1%から6.0%に下方修正した(関連ブラック ジャック ランキング)。
世界銀行は下方修正の理由として、世界経済の減速や世界的な保護主義の影響でフィリピンの輸出が伸び悩むと同時に、2019年国家予算の成立の遅れなどによる公共投資の落ち込みの影響が続いていることを挙げた。世界銀行のロン・キアン氏は記者会見において、4月中旬に3兆6,620億ペソの国家予算が成立した後に、迅速な予算執行ができなかった点が成長を押し下げたとしながらも、「政府の適切な財政政策が経済成長を下支えしており、今後、公共投資が回復し、インフラ開発プロジェクトが進行することが期待される」と説明した。
フィリピンの2020年、2021年の経済成長率について、世界銀行は6.1%、6.2%とそれぞれ予測し、前回(6月)の予測値からそれぞれ0.4ポイント、0.3ポイント下方修正した。
世界銀行はさらに、シンガポールとブルネイを除いたASEAN8カ国の2019年の経済成長率予測を、高い国から順にカンボジア(7.0%)、ベトナム(6.6%)、ミャンマー(6.6%)、ラオス(6.5%)、フィリピン(5.8%)、インドネシア(5.0%)、マレーシア(4.6%)、タイ(2.7%)とし、8カ国の平均経済成長率を4.8%と予測した。
(坂田和仁)
(フィリピン)
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