モディ首相が演説、2022年までに使い捨てプラスチック全廃を
(インド)
アーメダバード発
2019年10月10日
モディ首相は10月2日、インド西部グジャラート(GJ)州最大都市アーメダバードにある「ガンディー・アシュラム」(注)において演説し、衛生環境改善に向けたスローガン「クリーン・インディア」の一環として、2022年までにプラスチック製カップやストロー、皿、ビニール袋、小型ペットボトル、特定の個別包装といった6種の使い捨てプラスチックの利用を全国で禁止する取り組みを始めることを宣言した。また、インド独立の父であるマハトマ・ガンディーの生誕150周年に当たる10月2日を、この取り組みを開始した記念日として「スワッチ・バーラト・ディワス(クリーン・インディア・デー)」と名付けた。
モディ首相は式典で、「ガンディーは衛生、環境保護、生物保護に強い関心を寄せていた。これを実現するためには、プラスチックは脅威といえる。2022年までに使い捨てプラスチックの全廃を達成しなければならない」と述べた。モディ首相は、これに先立つ8月15日の独立記念日演説において、ガンディー生誕日の10月2日以降、使い捨てプラスチック製品の使用を控え、リサイクルを推進するよう訴えており、インド国内では使い捨てプラスチック(SUP:Single Use Plastic)の使用禁止に向けた動きが加速していた()。
インドでは、年間950万トンのプラスチックごみが排出されており、今後も排出量は増加する見込みだ。そのため政府は、プラスチック製品を削減することで、家や道路の清潔を保ち環境保護に積極的に取り組む方針だ。既存の規制は州政府ごとに内容が異なるため、複数の州をまたいで商品を発送する電子商取引(EC)業者などを当惑させている状況もあるが、新たな規制の導入は産業界にとっては商機ともなり得る。今後は、プラスチックに代わる新たな素材の導入やプラスチックのリサイクル産業の動向なども注目される。
(注)ガンディーが1930年まで修行・活動した施設。彼が寝起きをした非常に質素な家に、実際に使った糸を紡ぐ車や台所が展示されているほか、博物館が併設されている。
(丸崎健仁)
(インド)
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