米USTR、対タイ輸入の一部をGSP対象から除外、対ウクライナ輸入の一部はGSP対象に復帰へ
(米国、タイ、ボリビア、アゼルバイジャン、ウズベキスタン、ウクライナ、南アフリカ共和国、イラク)
米州課
2019年10月30日
米国通商代表部(USTR)は10月25日、タイからの一般特恵関税制度(GSP、注)を利用した輸入のうち、輸入額約13億ドル相当の573品目(米国関税率表上位8桁ベース)をGSPの対象から除外すると発表した。一方で、同時にオンライン ブラック ジャックているウクライナからの輸入額約1,200万ドル相当の148品目(同)をGSPの対象に復帰させると発表した。タイに対する措置は2020年4月25日から、ウクライナに対する措置は2019年10月30日からそれぞれ適用となる。トランプ米大統領も10月25日、これらの措置に関する大統領布告を発表した。
今回の措置で、オンライン ブラック ジャックたタイからの輸入品目は、機械類およびその部分品、電気機器およびその部分品、魚介類などで構成されており、2018年のタイからのGSPを利用した輸入額(約44億ドル)の約3分の1を占める。除外品目のリストは、USTRのウェブサイトから確認できる。USTRは除外理由に関して、タイが国際的に認められている労働者の権利を保護する措置を十分に講じていないため、としている。加えて、タイがGSP資格を供与されるためのマーケットアクセス基準を満たしているか、今後も審査を継続するとしている。
一方、USTRは、2017年12月にウクライナの知的財産権の保護が不十分と判断し、2018年4月26日からウクライナからの3,600万ドル相当の輸入品をGSPの対象から除外していたが、同国がその後、国内の知的財産の保護体制を強化する法律を成立させたことから、今回、除外品目の一部を再びGSPの対象とする判断を下した。復帰品目には、電気機器およびその部分品、機械類およびその部分品、野菜および果実の調製品などが含まれており、輸入額ベースで除外品目の3分の1がGSPの対象に復帰したことになる。復帰品目のリストは、USTRのウェブサイトから確認できる。
2019年に入り、トランプ政権はトルコおよびインドをGSPの対象国から除外しており(関連ブラック ジャック 勝率、6月4日記事参照)、今回の決定はそれに続く措置となる。
なお、USTRは今回、上述の措置に加えて、ボリビア、イラクおよびウズベキスタンに対するGSPの資格審査を終了し、両国を引き続きGSP対象国とすること、また、アゼルバイジャンおよび南アフリカ共和国に対するGSPの資格審査を新たに開始することを発表した(表参照)。USTRは、新規および既存の資格審査に関する公聴会およびパブリックコメントの募集を行うとしており、今後、詳細を官報で発表する予定だ。またUSTRは、毎年実施している関係者からの申請に基づくGSP対象品目の見直しの結果も併せて発表している。
(注)GSPとは、開発途上国・地域の経済発展を促すことを目的に、これらの国からの米国への輸入にかかる関税を一部免除する制度。GSP対象国・地域は、米国際貿易委員会(ITC)の米国関税率表の注釈4(General Note 4)に記載がある。4(a)ではGSP対象国・地域、4(b)では後発開発途上国、4(d)ではGSP対象外となる品目と原産国・地域のリストを掲載している。GSP税率は、「特別税率(Rate of Duty:Special)」欄の特別プログラム表示(SPI)が「A」「A+」「A*」の3種類で表示されているものに該当。
- 「A」:全GSP対象国・地域
- 「A+」:後発開発途上国からの輸入製品が対象
- 「A*」:GSP対象国・地域のうち、4(d)に掲載されている品目と原産国・地域を特恵の対象外としている
(甲斐野裕之)
(米国、タイ、ボリビア、アゼルバイジャン、ウズベキスタン、ウクライナ、南アフリカ共和国、イラク)
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