資生堂が現地法人による販売開始、中間所得層を対象とした商品を投入

(フィリピン)

マニラ発

2019年10月04日

資生堂フィリピンは9月26日、マニラ首都圏タギック市で記者会見を行い、2018年12月に設立した同社による販売事業を本格的に開始したと発表した。資生堂フィリピンは合弁会社で、資生堂の100%子会社でアジアを統括する資生堂アジアパシフィックが過半を出資し、資生堂のフィリピンにおける販売代理店の1つだったLUXASIAが残りを出資する。

資生堂がフィリピン市場に参入したのは1990年で、現在は27の店舗を保有するが、マーケットシェアは10%に満たない。今後はSHISEIDOブランドのほか、ナーズ、ローラ メルシエ、ドルチェ&ガッバーナ、イッセイ ミヤケ、ナルシソ・ロドリゲスといったブランドに加えて、国内の消費を牽引する中間所得層をターゲットとした300ペソ(約630円、1ペソ=約2.1円)前後の洗顔料をラインアップに持つ「専科」ブランドを展開する予定だ。

資生堂アジアパシフィックのジーン・フェリペ・チャリアCEO(最高経営責任者)は、フィリピンはベトナム、インドネシアと並んで、東南アジアで最も化粧品市場が急成長する国だと説明した。また、今後の店舗展開に関して記者から問われると、「ショッピングモールが最適な場所と考える。フィリピンでは週末にショッピングモールを訪れる消費者が多く、われわれのブランドにとっても良い販売環境と考える」と回答した。また、資生堂フィリピンの中田幸治社長は「他社の大衆ブランドよりも、高級で高価ではあるものの、フィリピンのメイクアップ商品のユーザー数の拡大が追い風になる」と説明した。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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