ハノイのスマートシティ開発が始動
(ベトナム)
ハノイ発
2019年10月16日
住友商事は10月6日、ベトナム地場不動産大手のBRGグループと共同で、スマートシティ開発の起工式典を開催した。ハノイ市内の開発予定地で行われた式典には、企業関係者に加え、日本政府関係者およびグエン・スアン・フック首相、建設省、天然資源環境省、文化・スポーツ・観光省の大臣ら複数のベトナム政府要人が出席した。
住友商事はBRGグループと合弁会社を立ち上げ、ハノイ市ドンアイン区の272ヘクタールの土地をスマートシティとして開発する。同地区は、ノイバイ空港とハノイ市中心部をつなぐニャッタン・ノイバイ幹線道路の沿線に位置し、住友商事が運営するタンロン工業団地からも近い。また、日本が携わるハノイ市都市鉄道2号線の建設も期待されている地区だ。
本開発は2018年6月に投資認可を受け、投資額は約42億ドルを見込む。2028年まで5期に分けて開発され、第1期(73ヘクタール)の住宅開発は2022年から入居開始できるよう進められる計画だ。現在、ハノイ市による土地収用が全て完了しているわけではないが、BRGグループのグエン・ティー・ガー会長は「ハノイ市からの土地引き渡し後、24カ月以内に第1期の開発を完了する」と宣言した。
本開発では、エネルギー、交通、行政、教育、ビジネス、生活の6分野でスマート技術を取り入れていく構想で、第5世代移動通信システム(5G)、顔認証、ブロックチェーン技術などを導入することにより、スマートシティとしてのサービス高度化を図る計画だ。住友商事の兵頭誠之社長は、同社として「今後さらに都市開発、スマートシティプロジェクト、インフラ整備事業に注力していく」とし、「本開発はハノイ市の持続的発展につながるプロジェクトになる」と述べた。
ベトナムでは、政府が2018年8月にスマートシティ開発に向けた指針を公表しており、民間主導で徐々に開発が始まっている状況だ(特集:動き出したアジアのブラック ジャック ゲーム)。
(庄浩充)
(ベトナム)
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