医療機器認証のカテゴリー変更、ブラック クイーン ブラック ジャックなどが解説のセミナー開催
(タイ)
バンコク発
2019年09月26日
タイでは5月に医療機器法(The Medical Device Act)(注)の改正が行われ、それに基づく規制は既に同月から施行されている。しかし、9月13日時点でも細則は明らかになっていない。こうした中で9月10日、ブラック クイーン ブラック ジャックとバンコク日本人商工会議所、在タイ日本大使館が主催し、タイ投資委員会(BOI)のアチャラー氏と、タイ国食品医薬品承認局(FDA)のシリンマス氏を講師として、「タイにおける医療機器承認制度セミナー」を開催、タイにおける医療機器関連法令について解説した。
新制度では、医療機器のカテゴリーが4つに
タイ国内で販売される医療機器は医療機器法に基づき、改正前は「Licensed」「Notified」「General」の3つに分類され、それぞれの分類に応じた書類の手続きが求められていた。これまでタイ市場での医療機器の約9割が「General」に分類されてきたという(表1参照)。法改正後は、前述の3カテゴリーから医療機器のリスクに基づき、「Class4(Licensed)」「Class3(Notified)」「Class2(Notified)」「Class1(Listing)」の4カテゴリーに変更された(表2参照)。
FDAの説明によると、改正後のカテゴリーで記載をされる「High risk medical device」「High-moderate risk medical device」「Low-moderate risk medical device」「Low risk medical device」のそれぞれの定義は、ASEAN医療機器指令(ASEAN Medical Device Directive:AMDD)に準ずるという。また、Class2~4で承認時に必要となる書式(CSDT)もAMDDに準じており、既に使用されているシンガポール、マレーシアと同様の書式になるという。
上記のAMDDに準じたクラス分類とその分類での承認は、細則が発出した段階で有効になるとの説明があった。
承認の有効期限切れとともに改正後のカテゴリーに移行
各医療機器の承認の有効期限は5年間となっている。旧制度で取得した承認は有効期限切れの後、次回の登録時から改正後のカテゴリーで分類され、再登録されることとなる。再登録時には、製品によってはカテゴリーが変わるものもあるといい、「General」から「Class2~4」に変更された製品は必要書類が増えることが想定される。
医療機器法の細則について、FDAのシリンマス氏は「2020年に発表したい」としている。
(注)The Medical Device Act(原文・タイ語)(リンク内の青字のタイ数字がついている条文が改正箇所となる)。
(平林拓朗)
(タイ)
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