ネット販売から5年、米コストコが上海に実店舗をオープン
(中国)
上海発
2019年09月05日
米国大手会員制スーパーマーケットのコストコの1号店である「開市客閔行店」(以下、閔行店)が8月27日、上海市にオープンした。開店直後に大勢の買い物客が店内に殺到し、店舗周辺でも交通渋滞が発生したため、午後から臨時休業となった。
閔行店は上海市内の中心部から車で50分程度の閔行区華漕エリアに立地し、上海虹橋国際空港やアリババのネット通販の物流拠点とも隣接している。店舗の1階は倉庫型量販店で、売り場面積は1万4,000平方メートルに達する。2階と3階には、1,200台の車を収容できる屋内駐車場が備わっている。閔行店では、米国の店舗よりSKU(注)を少なくする代わり、会員向けの修理サービスコーナーや飲食スペースを充実させている。
閔行店の通常の年会費は299元(約4,485円、1元=約15円)だが、開店の2カ月前から年会費(199元)の割安なプランでプロモーションした結果、会員数は既に数万人に達している(「理財週刊」8月21日)。
近年、中国に進出する外資系小売業は、ネット販売でテストマーケティングを行ってから本格的に中国市場に参入するケースが多く、コストコも中国ではネット販売事業からスタートした。2014年にはアリババ傘下の電子商取引(ECサイト)「天猫商城」(Tmall)で「好市多」という直営店を開設した。その後、Tmallの越境ECサイトの「天猫国際」に旗艦店を開設し、自社PB(プライベートブランド)である「Kirkland」の輸入品を中国市場で販売した。
コストコアジア区CEO(最高経営責任者)の張嗣漢氏は、上海市にリアル店舗を設けた理由について、「過去5年間のネット販売実績をみると、中国の主要顧客は華東地域に集中している。中でも、上海市が最も多い」とコメントしている(「理財週刊」8月21日)。
(注)各店舗の陳列スペースにおける商品数の最小管理単位。
(王艶、宋青青)
(中国)
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