上半期の貿易は10億8,400万ドルの黒字、輸出入とも減少
(チリ)
サンティアゴ発
2019年09月02日
チリ中央銀行の発表(8月23日)によると、2019年上半期(1~6月)の貿易(通関ベース)は、輸出(FOB)が前年同期比6.7%減の358億5,300万ドル、輸入(CIF)が3.5%減の347億6,900万ドルで、貿易収支は10億8,400万ドルの黒字となった。
輸出(FOB)を品目別にみると、構成比の半分を占める鉱産物は、前年同期比9.0%減の179億4,200万ドルだった(表1参照)。銅は7.9%減で、米中貿易摩擦で米国が追加関税を課す中国製品に銅を使用したものが多く、中国における当該製品の対米輸出減がチリからの銅輸入の減少につながった。また、中国の銅需要減少により、銅の国際価格も値下がりしている。
農産物は、中国への輸出増を背景にサクランボが前年同期比18.0%増だったものの、他の主要な輸出果物であるブドウ、リンゴ、ブルーベリーなどは減少した。
工業品は前年同期比4.9%減となり、セルロース、紙、その他が13.6%減、金属製品、機械、設備が16.4%減だった。セルロースは、銅と同様の要因による需要減が影響している。一方で、主要品目のサーモンは3.4%増で、主な輸出先である米国(7.0%増)、日本(11.2%増)、ブラジル(6.9%増)が好調だった。
輸入(CIF)を品目別にみると、中間財は前年同期比3.2%減の174億7,900万ドルだった(表2参照)。うちエネルギー製品は、米国とブラジルからが減少したものの、アルゼンチンからは天然ガス輸入増のため約2.8倍に増え、日本からは石油および歴青油の増加で3.9倍となった。
消費財は前年同期比7.2%減となり、特に自動車と携帯電話の減少が目立った。資本財(1.6%増)では、トラック、牽引車が減少したものの、鉱業、建設用機械は47.0%増と好調だった。
輸出額を国別にみると、中国(構成比:30.0%)、米国(14.3%)、日本(9.4%)の順で、3カ国とも前年同期に比べ減少した(表3参照)。韓国向けは15.0%増で、特に銅鉱や銅カソードが増加した。輸入額をみると、中国(23.5%)、米国(18.8%)、ブラジル(8.0%)の順となり、1.8%減の中国からは主に携帯電話や自動車が減少した。
(岡戸美澪)
(チリ)
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