東京都とクアラルンプール市、低炭素社会実現に向けた連携を表明
(マレーシア、東京)
クアラルンプール発
2019年09月13日
東京都とクアラルンプール市は8月23日、同市内で「東京都-クアラルンプール市低炭素システム・ハイレベルキックオフセミナー」を開催し、日本の地球環境戦略研究機関(IGES)とマレーシア工科大学、マレーシア持続可能エネルギー開発庁の協力の下、同市内の建築物の省エネ技術普及に向けた取り組みを行うことを発表した。
このプロジェクトは、日本の環境省「平成31年度低炭素社会実現のための都市間連携事業委託業務」の一環として、2019年度に始まった。東京都の省エネ施策における経験やノウハウをクアラルンプール市に共有することで、同市が定める2030年までに二酸化炭素(CO2)排出量を2010年比70%削減する計画に寄与することを目的としている。同市は2017年8月、「クアラルンプール低炭素社会ブループリント2030」を策定し、CO2排出量削減に取り組んできた。
東京都のノウハウで低炭素社会を目指す
クアラルンプール市長のヒシャム・アフマド氏はセミナーの中で、「低炭素社会実現に向け、東京都からノウハウの共有やトレーニング機会の提供を受けられる」と述べ、同市の目標達成に向け、市単独ではなく、既に実績のある東京都と連携することの重要性を強調した。
また、東京都環境局地球環境エネルギー部の小川謙司部長は、都のCO2排出量削減の取り組みや成果を説明した。2018年の実績として、都庁舎のCO2排出量を2000年比で30%削減したことなどを紹介し、エネルギー効率の高い設備への更新などハード面の対策に加え、担当者だけでなく職員1人1人と省エネという目的を共有するといった草の根活動も重要だと説明した。
クアラルンプール市はプロジェクトの具体化に向けて、市所有の建築物の省エネ化から着手し、最終的には民間事業者の建築物を対象としたガイドライン作りを視野に入れて活動をする計画だ。
(斉藤学)
(マレーシア、東京)
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