世界イノベーション指数、東アフリカではケニアがトップ

(ケニア)

ナイロビ発

2019年08月22日

米国のコーネル大学、フランスのインシアード(INSEAD)、世界知的所有権機関(WIPO)は7月24日、世界129カ国のイノベーション能力や成果のランキングである「グローバル・イノベーション・インデックス(GII)2019」を共同発表した。人材や調査能力、インフラ、知識層の厚み、技術力など80の指標でランク付けしている。サブサハラアフリカでは、トップが南アフリカ共和国で世界63位、2位がケニアで77位だった。東アフリカでは、ルワンダ(世界94位)、タンザニア(97位)、ウガンダ(102位)と続いた。アフリカでスタートアップへの投資額がケニアと南アに次ぐナイジェリアは114位だった。アフリカ主要国のスコアは添付資料参照。

ケニアのスタートアップへの投資額は例年、アフリカでも例年上位に入る。GII2019では、ケニアの強みとして、マイクロファイナンス融資額の対GDP比(4.2%、世界6位)、与信の取得のしやすさ(7位)、ブラック ジャック 遊び方技術(ICT)を活用したビジネスの創造(33位)などがあり、弱みとしては、研究・開発(R&D、76位)、高等教育(109位)、電力インフラ(113位)などが指摘された。制度(政策、規制、事業設立)が高く評価されたルワンダもR&Dは120位で、タンザニア(88位)、ウガンダ(106位)など東アフリカに共通した課題といえる。

ケニアの強みの背景として、携帯電話とモバイルマネーの普及がある。ケニアの人口は4,780万人だが、携帯電話の契約件数は3月に過去最高の5,103万件、普及率は人口比106.8%に達した(ケニア通信局)。2018年9月に普及率100%を超えた後も、増加の勢いは止まらない。モバイルマネーのアカウント数は2019年3月に3,206万件で、人口比67.1%となった。

ケニアは、携帯電話を活用した簡易な仕組みを柔軟な発想でビジネスと結び付け、これまで銀行口座を保有できなかった貧困層を含む個人を金融サービスに包括していくことで、イノベーションを活発化させてきたといえる。今後さらなる発展に向けては、人材の確保や教育、高度な技術力や研究・開発が求められる。

(久保唯香)

(ケニア)

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